GIGAスクール構想のメリットは? -- タブレット支給にはネットリテラシーのトラブルなどの問題点がある?

公開日:2023/07/11 最終更新日:2023/07/11

コロナ禍で全体的にオンラインが加速していく中、「GIGAスクール構想」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは文部科学省が進めている計画です。生活の変化とともに、学習環境も変化しています。
今回は、GIGAスクール構想について説明していきます。

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GIGAスクール構想とは

文部科学省が令和元年(2019 年)12 月 13 日に閣議決定した令和元年度補正予算案において、児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するための経費が盛り込まれることを、同年12月19日に発表しました。

GIGAスクール構想のGIGAとは『Global and Innovation Gateway for All』 の略であり、『全ての人にグローバルで革新的な入口を』という意味です。
そのため、GIGAスクール構想とは子供たち全員へ教育ICT環境を提供することを明示したものです。
生活の変化とともに、社会のあらゆる場所で ICT の活用が日常であるSociety 5.0時代(※1)に生きる子供たちにも、1人1台端末の支給し、創造性や自立性、ネットリテラシーなどの情報活用能力の育成を目的とされています。

文部科学省 GIGAスクール構想別ウィンドウ

※1  Society 5.0とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)。
内閣府の第五期科学技術基本計画にて定義。

主体的な推進は各自治体で実施

文部科学省が全国の学校に対し提示したGIGAスクール構想ですが、主体的に推進していくのは各自治体となります。
そのため、各自治体は何から始めるのが良いか、備品やLAN設備等の準備が中々進まないことを想定されたため、文部科学省では、GIGAスクール構想の実現パッケージとして、下の5つを示しています。

1、環境整備の標準仕様書例示と調達改革
「ICT環境の整備や調達をより容易に」
・端末やLAN整備の仕様書を公表
・都道府県レベルでの共同調達を推進

2、クラウド活用前提のセキュリティガイドライン公表
「クラウド活用により使いやすい環境へ」
・クラウド・バイ・デフォルト(※2)の原則を元に
『教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン』改訂
・クラウド・バイ・デフォルトの原則追記
・クラウドサービス事業者の留意事項追加
※2 国が情報システムを新規に導入する際に、クラウドサービスの利用を第一候補(デフォルト)とする方針のこと

3、学校ICT利活用ノウハウ集公表
「全ての教職員がすぐ使えるように」
・「教育の情報化に関する手引」を公表
 各学校段階における各教科など
・ICTを活用した効果的な学習活動の例を提示

4、関係省庁の施策との連携
「ローカル5Gや教育コンテンツも活用し未来の学びを実現」
・総務省:課題解決に向けたローカル5Gの活用モデル構築
・経済産業省:EdTech導入実証事業、学びと社会の連携促進事業

5、民間企業等からの支援協力募集
「民間等の外部支援により導入・利活用加速」
民間企業等から学校ICT導入・利活用に対するあらゆる協力を募る
・校内LANなど通信環境無償提供
・十分なスペックの端末を学習者へ提供
・ICT支援員として学校の利活用の人的サポート など
上記を公表し文部科学省から教育委員会へ連携をはかる

GIGAスクール構想の推進のポイント

では、指針に沿って進めていくにあたって4つのポイントをご紹介します。

ポイント1 校内LAN整備の強化

GIGAスクールの実現を進めるにあたって重要なのが、インターネット設備の充実です。
校内のみ使用できるネットワークのLAN設備強化することの重要性として、学習するにあたって教育コンテンツの動画・アプリやオンラインツールを使用したビデオ通話、プログラミング等、これらを利用し学習する念頭であれば、滞りない高速インターネットの環境の設備が必要となります。
また、Wi-Fiなどの通信トラブルに対処できないという声もあるため、校内のどの教室でも全員の児童・生徒が使用しても問題ないように環境を整える方が好ましいため、機器の仕様などを確認した上で導入計画をしましょう。

ポイント2 学習者用端末(PC・タブレット等)の導入

学習者用端末設備に関しては、文部科学省が公表している「GIGAスクール構想の現実パッケージ」にもあるように1人1端末の導入をすることにより、従来の授業形式とは異なり、個々の学習状況や感染症や災害時にも問わず、学べる環境を実現させることができます。
授業計画に基づきデジタル教科書やツールを使用する場合、端末操作がストレスなく使用できる端末を検討することが必要です。

ポイント3 クラウド活用

校内LANと端末の導入のハードウェアの設備が整ったのちには、クラウド活用によってより使いやすい環境へしていくことが大切です。
デジタル教科書を始め、問題集などの協働学習支援ツールやWEB会議ツール、コミュニケーションツール等、様々なツールやアプリケーションが出てきています。
同省では、このようなGIGAスクール構想におけるクラウドの活用は授業準備や成績処理等の負担軽減にも資するものであり、学校における働き方改革も推進しています。

ポイント4 教育の情報化-ICTの活用-

「ICT教育」とは、今までアナログで行っていた教育のデジタル化のことです。具体的には電子黒板、パソコンやタブレットなどのデジタル器機の導入、インターネットを介した学習支援ツールの活用などを行う教育の総称です。

ICT教育とは別ウィンドウ

推進していくにあってのメリット・デメリット

メリット

・1人1人の状況に合わせた学習環境の提供
GIGAスクール構想が実現することにより、従来の教室で行う一斉学習では困難だった、1人ひとりの環境・進捗を生徒に合わせた学習を進めることができます。また、オンライン授業なら発言できる生徒もいた場合、主体性を育む良い機会になります。

・児童・生徒と教員におけるスムーズな情報共有
今まで行ってきた、連絡事項やアンケート、提出物の進捗状況などの紙媒体や口頭でやり取りしていたことがデジタル化することにより、履歴が残る状態となり伝え忘れ防止や期限など管理しやすくなります。また、デバイスがあれば確認することもできるので、生徒の環境に問わず活用することができます。

デメリット

・教員をはじめ保護者の方の理解を得ること
GIGAスクール構想で挙げられている教育方法は新しい環境のため、教員や保護者の方は経験のない形態です。
通信環境の設定やデバイスの取り扱い等、不安を覚える方も多いかもしれません。PCやタブレットを生徒が使用するにあたり、ネットリテラシーなどの情報活用能力も心配になる保護者の方もいます。
しかし、GIGAスクール構想を推進しなければ進学するにあたって学校ごとにスキルなどのバラつきが出てしまいかねません。
今の内からGIGAスクール構想について双方の理解を深めながら進めていくことが望ましいでしょう。

GIGAスクールに関するお仕事をしたい場合はどうすれば良い?

これまでGIGAスクール構想についてお話してきましたが、ネットリテラシーなどの情報活用能力を生かしてお仕事をしてみたい!と思われる方も多いのではないでしょうか。
実はGIGAスクール構想も推進するにあたって、「GIGAスクールサポーター」という支援制度があります。
GIGAスクールサポーターとは、事業の流れ各教育委員会等が国の補助金等を活用して、サポーターを募集・配置し、学校における環境整備の初期対応を行います。
主な業務の内容としては、学校におけるICT環境整備の設計、工事・納品における事業者対応、端末等の使用マニュアル・ルールの作成等があり、サポーター対象者は、ICT関係企業の人材などのICT技術に知見を有する者と記載されています。
一定以上の知見を持っていれば「GIGAスクールサポーター」として働くことができます。当社でも取り扱いがありますので、ご興味のある方は是非ご相談ください。

まとめ

今回は、GIGAスクール構想についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
新型コロナウイルスの流行により生活の形が大きく変化しました。
これからは、従来と現代のやり方の良い方法を活用していき、これから先にも新たな学び方・働き方が変化していくと考えられます。
当社でも、GIGAスクールの支援関連や他にもお仕事もございますので、お仕事を探している方やご興味がある方は、ぜひご検討ください。

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