CADとは?CADオペレーターの仕事内容は?

公開日:2023/03/15 最終更新日:2023/03/15

CADとは?CADオペレーターの仕事内容は?
CADやCADオペレーターという単語を聞いたことはありますか?建築業界を中心によく出てくるワードで、最近は3Dプリンターなどの普及により、ますます注目をされています。 そんな「CAD」とはいったい何か、「CADオペレーター」とはどのような仕事なのかを解説いたします。

CADとは?

CADは Computer Aided Designの頭文字をとった略語です。読み方は「キャド」と読みます。直訳するとコンピュータ支援設計となり、従来は人が書いて作成していた設計図を、コンピュータで作図できるようにしたシステム(ソフト)のことです。
今ではメーカーや製造業の多くで利用されていて、身の回りの自動車やパソコンなど多くの製品はCADを利用して作成した図面を基に作られています。
ここでは、CADの特徴や様々な種類について説明します。

CADの特徴

CADが開発されるまで、設計や製図は手で実際に紙に書いて行われていました。手書きは作成に時間がかかったり、修正するときに線を消すことになるので修正したいところの周囲の線も消えてしまったりすることがありましたが、CADは手書きよりもスピーディに、さらに修正時も修正箇所のみを消して作成ができるようになりました。
また、紙では膨大な管理量からの紛失や汚れなどの可能性もありましたが、CADはデータ保存ができるので楽に管理ができるようになりました。データをメールに添付して送ることが出来るので、社内の人との共有だけでなく社外の人との共有もスムーズになりました。

2DCADと3DCADの違い

CADには2DCADと3DCADと呼ばれるものがあります。それぞれ説明します。

2DCADは2次元CADとも呼ばれ、その名の通り平面で図面を作成するCADのことです。これまで手書きで作成していた図面を、コンピュータを用いて作成します。
3DCADは3次元CADと呼ばれ、3次元で立体的に表現できるCADです。球体や立方体などをそのまま立体で表現ができるので、製品の完成版に近いイメージを見ることが出来、具体的なイメージを掴めます。できることが増える分、2DCADと比較して導入コストが高く、操作も難しくなります。

3DCADは2DCADと比べてできることは多いですが、一概にどちらが優れているということはありません。用途によって使い分けられています。

汎用CADと専用CADの違い

同じく汎用CADと専用CADと呼ばれるCADがあります。先ほど2DCAD、3DCADには、それぞれ汎用CAD、専用CADがあります。

汎用CADは分野を問わず幅広く活用できるような機能を備えているもので、専用CADは建築や自動車など分野に特化した機能を備えているものです。

汎用CADで有名なのが「AutoCAD」というソフトです。2D、3Dどちらにも対応をしていて汎用CAD市場で非常に大きなシェアを占めています。
専用CADは、製品や建築物を設計するための専用コマンドが用意されており、例えば建築業界のCADでは「壁」「階段」などのコマンドがあります。

BIMとの違い

CADオペレーターの求人を見たことがある方であれば、BIMという単語も聞いたことがあるのではないでしょうか。
BIMとは何か、BIMとCADの違いについて説明いたします。

BIMとは、Building Information Modelingの頭文字をとった略語です。コンピュータ上に建物の建築を行うシステムのことです。コンピュータ上に同じ建物のモデルを作ることが出来るので、設計や施工、サイズなどのミスがないかを、実際に建設する前に確認できます。3DCADと近い性能ではありますが、大きな違いとしてBIMは最初から3次元で設計するのに対し、3DCADは最初2次元の平面図を書いてその後3次元に組み立てていくという順序の違いがあります。3DCADは修正が入ったときに2次元の図面から修正が必要でしたが、BIMは3次元の設計図をそのまま修正できるので効率化が図れます。
しかし、BIMは導入コストが大きい他、データの容量が大きくなりやすくハイスペックなコンピュータが必要になる傾向があります。

3DCADと3CCGは何が違う?

3Dと聞くと3DCGという単語も聞いたことがあると思います。3DCGとの違いも説明します。

3DCGとは、3 Dimensional Computer Graphicsの頭文字をとった略語です。直訳すると3次元コンピュータグラフィックスとなり、3DCADと同じく3次元のデータを作ることが出来ます。3DCADとは目的が異なり、CADは設計を目的に使用されておりますが、3DCGはアニメーションの作成などを目的に使用されており、設計には利用されません。

CADオペレーターとは?

CADオペレーターとは、CADを用いて設計図の作成を行う職種です。CADの説明を聞いて難しいイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、CADオペレーターはやる気があれば未経験からも目指すことが出来る職種です。

CADオペレーターの仕事内容

設計図の作成をするといっても、いずれの設計も法律などの専門知識が求められるため、ゼロから設計をするわけではありません。設計士やデザイナーの指示に従って図面の作成や修正、調整などを行います。しかし、図面を見て理解するために、専門用語やその指示を理解できる必要があるため、CADを扱うだけでなく一部の専門知識も必要といえます。例えば、一口に建築業界といっても家などを建築するときに必要とされる図面と、電気などの設備図面では必要な知識が異なります。
また、CADオペレーターは図面を作成するだけでなく、そのほか全般的な事務作業も行います。例えば請求書等の各種書面作成、電話対応等です。

CADオペレーターの働き方

CADオペレーターは、正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイト、フリーランス等様々な働き方のできる職種です。正社員や契約社員としてスキルを磨くことや、派遣社員やパート・アルバイト、フリーランスで空いた時間を有効活用するように働くこともできます。

CADオペレーターを目指している人の中には、フリーランスとしての働き方を希望している方も多いのではないでしょうか。実際に、CADオペレーターはフリーランスとして勤務している人も多くいらっしゃいます。
フリーランスの場合は、企業から図面化の依頼を貰い、それを元に在宅で図面の作成を行い出来上がった図面をデータで納品します。自分の好きな時間に業務を行うことが出来、仕事量なども調整ができるので副業として行っている方もいます。
一つ注意が必要なのが、情報セキュリティです。依頼されるデータは企業の機密情報の一つでもあるので、情報漏洩などの無いように外へデータを持ち出さないように注意する必要があります。

CADオペレーターとして活躍できる業界

設計といわれて一番イメージをされるであろう建築業界の他に、機械や自動車、家電製品、家具、洋服のデザインなどでもCADオペレーターが活躍しています。各業界で使用されている場面を紹介します。

・建築業
建築物の設計図作成でCADを使用します。2DAD、3DCADどちらも用いられることが多く、家の間取り図などもCADを使用して書かれています。CADオペレーターの求人も建築業界が一番多くなっています。

・製造業
部品や型の設計図に加え、完成品のデザイン、完成品のシミュレーションでもCADを使用します。3DCADが用いられることが多いです。

・家具、インテリア業
建物の内装デザインと、そのデザインを図面に起こすためにCADを使用します。また家具のデザインにも使用されます。3DCADを用いられることが多く、CADの知識だけでなくデザインの知識も必要となります。

・アパレル業
洋服デザイン後の製作時にCADを使用します。具体的には、パターン(型紙)作成、グレーディング(サイズ展開)、マーキング(生地裁断のパターン)の工程で使われていて、汎用ソフトではなく2Dの専用ソフトが使われています。他業種とはCADソフトの種類が異なるので、他業種でのCAD経験を活かしての転職は難しい業界です。また、製品となったときのシルエットや着心地も考える必要があるため、服飾に関する専門知識が求められます。

業界によって求められる知識は異なりますが、未経験から挑戦のできる業界や、CADソフトさえ使えれば業界経験(知識)は問わない業界もあります。

CADオペレーターになるには?

CADオペレーターに興味を持ち始めた方も多いと思います。実際にCADオペレーターになるために、必要なスキルや資格について解説します。

求められるスキル

CADソフトの操作スキルがあると有利に就職・転職活動を進めることが出来ます。CADオペレーター専門のスクールやeラーニングなどがありますので、それらのサービスを利用して未経験からでもスキルを身につけることが出来ます。

正社員やアルバイト、派遣社員などとして会社に所属して働く場合は、やる気があればCADソフトの未経験からでも挑戦ができる場合があります。その場合は入社後に会社内の研修やeラーニングでスキルを身につけていくことが必要になります。
フリーランスとして働く場合には、CADソフトのスキルや自宅でCADを利用できる環境が必要になります。

また、設計士やデザイナーからの指示を元に図面を作成することとなりますので、意図を汲み取る理解力や、設計士、デザイナーとのコミュニケーション力もCADオペレータースキルとして求められます。図面作成にあたってわからないことをデザイナーに質問したり、自分が作成した図面の説明をプロジェクトのメンバーにする必要があることもあり、コミュニケーション力は特に大事なスキルの一つと言えます。

役に立つ資格

CADオペレーターは資格が無くても働くことが可能です。しかし、資格を持っていると有利になることもあります。おすすめの資格を紹介します。

<おすすめ資格>
・CAD利用技術者試験
・建築CAD検定試験
・オートデスク認定資格プログラム

向いている人

図面の作成はミリ単位の確認も必要となり、緻密な調整が必要となりますので、几帳面な方が向いています。
また、黙々と作業に取り組むこともありますので地道な作業を集中して行えることもCADオペレーターに必要な要素の一つです。

CADオペレーターのやりがい

設計士やデザイナーの陰に隠れてしまうことも多いですが、CADオペレーターは設計・製図に関してなくてはならない存在です。製図のサポートを行うことで設計士やデザイナーから感謝されることにやりがいを感じる人もいます。
また、「ものづくり」の現場で活躍することが多いので、自分が作成した図面が製品化されたものを見て、モチベーションが上がる人も多いです。
3DCADやBIMなど新たなソフトの開発も進んでおります。特に3DCADはまだ取り扱いのできるオペレーターが不足しているといわれています。最新のソフトの操作スキルを新たに身に着けることで自分の市場価値を上げていくことが出来るのも魅力の一つです。

CADオペレーターの将来性

「ものづくり」において設計は必ず必要になります。そのためCAD及びCADオペレーターの需要は今後も続いていきます。
しかし、パソコンやインターネットの普及により、以前と変わってきたこともあります。以前はCADの操作をできる人が少なくCADの取り扱いはCADオペレーターの専門業務でしたが、eラーニングや動画サイト等の操作を勉強できるツールが増えたことで、設計士もCADを使いこなすようになってきました。そのため、今後はCADオペレーターのスキルや専門知識の向上、難易度の高い3次元CADのスキル習得ができると良いでしょう。

また、CADオペレーターから設計士、建築士へキャリアアップを目指すこともできます。建築士の場合は国家試験に合格する必要があるためさらなる専門的な勉強が必要になりますが、業界によっては国家試験が必要に場合もあります。CADオペレーターとしてのプロフェッショナルを目指していくだけでなく、他のポジションを目指していくこともできます。

CADオペレーターを目指すならトライアロー

トライアローは、主に建設・通信・ITに強い技術系の派遣会社です。CADオペレーターの案件も多く取り扱っておりますので、これからCADオペレーターを目指していきたい方やこれまでの経験を活かして働きたい方はお気軽にお問い合わせください。

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