公開日:2016/02/22 最終更新日:2016/02/22
建設業法に基づいて、電気工事の円滑な施工や完成品質の水準確保を図るための 管理・監督を行うのが電気工事施工管理技士です。 国家資格としての電気工事施工管理技士には1級と2級があり、以下のような違いがあります。
一般建設業及び特定建設業の営業所において「専任技術者」となることができます。 また、外注総額3000万円以上となる工事を発注者から直接請け負った場合、 「監理技術者」の配置が義務付けられますが、この1級のみが「監理技術者」となることができます。 施工計画の作成、工程管理、品質管理や工事の施工に従事する人の指導監督等を行います。
一般建設業の営業所において「専任技術者」となることができます。 また、1級電気工事施工管理技士と2級電気工事施工管理技士は共に、 外注総額3000万円未満となる工事を発注者から直接請け負った場合、 現場に配置しなければいけない「主任技術者」の資格を持つ者としても認められています。 施工計画の作成、工程管理、品質管理や工事の施工に従事する人の指導監督等を行います。 なお、電気工事施工管理技士の受験資格は学歴などによって異なっています。 一例を挙げると2級の場合は「大学の指定学科を卒業し、1年以上の実務経験」がある者、 1級の場合は「大学の指定学科を卒業して3年以上の実務経験」がある者、などとなっています。 試験内容は学科試験と実地試験に分かれており、 試験の科目は、学科試験は電気工学等、施工管理法、法規、実地試験は施工管理法となっています。 合格率は、平成27年度の1級(学科試験)だと45.1%※と出ており、約半数近い人が合格しています。 ※参考:平成27年度1級 電気工事施工管理技術検定学科試験 http://www.fcip-shiken.jp/uploads/fckeditor/h27_1d_goukakukijyun.pdf
電気工事施工管理技士はビルや施設、そのほかの建物内で行われる電気工事にて管理・監督を行います。 具体的には発電設備、送電、配電、配線といった施工が、 きちんと設計図や電気設備図どおりに行われているかをチェックします。 また、予算やスケジュールの管理、必要資材の調達、 電気工事職人や作業員への指示出し、各種書類作成なども行い、職務は多岐にわたります。
電気工事施工管理技士は電気設備工事会社、大手中小の専門工事会社(サブコン)、 総合建設会社(ゼネコン)の設備部、不動産管理会社、プラントエンジニアリング会社まで多くの企業に就職の可能性があります。 資格保有者への企業ニーズは高くなっています。 その理由は、電気工事が行われる機会は増えているにもかかわらず、資格保有者の絶対数が少ないためです。 また、有資格者が相対的に多い年配層は定年で現場を離れつつあり、 慢性的な人手不足に拍車がかかっている状況ともいえます。 そのため、年齢が若い有資格者ほど多くの企業で優遇される傾向にあります。 さらに、電気工事関連の現場での実務経験があれば条件次第で2級に挑戦することもできます。 資格を取得することで年収や待遇を上げたり、より希望に合った職場をめざして転職したりするなど、選択肢を広げることもできるでしょう。 新卒では入社しにくい大手企業に転職することも、不可能ではありません。 近年、電気設備は省電力化や防犯・防災面の強化、管理の自動化などによって、これまで以上に複雑化・高度化しています。 また、光ファイバー網やオール電化住宅など新技術やインフラの登場による急激な変化も起きています。 そのため、今後ますます電気工事施工管理技士に対するニーズが高まっていくと考えられます。