公開日:2023/05/24 最終更新日:2023/05/24
プラントエンジニアとは、プラント(工場設備)の設計や開発、建設からメンテナンスなどを行うエンジニアを指します。工場のラインで働く人ではなく、工場そのものを作る人というイメージです。 また、プラントと言っても様々な種類があり、石油などを精製している化学プラントや、電気・ガスを作っている発電プラント、廃棄物や下水の処理をする環境プラントなどがあります。
プラントエンジニアの仕事は、大きく分けて6つあります。
これらの業務を一人ですべて行うのではなく、それぞれの専門知識を持ったエンジニアが分担して行います。特に設計段階は、機械や配管、電気設備等様々な設計が必要になるため、それぞれ専門のエンジニアが設計します。
令和4年賃金構造基本統計調査によると、プラントエンジニアの平均年収は約606万円です。 ※平均年収の計算方法:「決まって支給する現金給与」×12ヶ月+「年間賞与」の金額で計算されています。 同じ統計調査での全体平均はおよそ496万円ですので、年収ベースで100万円近く給料が高い計算となります。 しかし、プラントエンジニアなら誰でもこの金額がもらえるというわけではありません。あくまで平均年収であり、働き方や環境、スキル次第で年収は決まります。経験や年齢、資格などにより異なります。 また、プラントエンジニアは決して楽な仕事ではなく、専門知識のほか、肉体的、精神的な面でもタフさが要求されます。
先ほど、年収の違いの一つとして年齢を挙げましたが、年代別の平均年収について解説します。 (出展:令和4年賃金構造基本統計調査) 20代平均:414万円 20代はまだ経験が浅いため、プラントエンジニア全体の平均年収と比べ低めの水準です。入社したばかりの新卒も含まれ、賞与額も大きくありません。経験1~2年のことが多い20代前半では平均年収359万円ですが、3年以上となる20代後半では平均年収469万円程度となり、100万円近い差があります。 30代平均:598万円 30代になると、プラントエンジニア全体の平均年収とほとんど変わらない金額となります。経験が増え、責任の強い業務も増えてきます。部門のリーダーや総括者となるケースもあるようです。 40代平均:672万円 50代平均:734万円 40代・50代は全体の平均金額より大幅に平均年収が高い傾向にあります。現場ではなく、昇進し管理業務などを行っていることも多いようです。 管理職となると、部下の管理業務に加えプロジェクト全体の統括や顧客との折衝などより重要な業務を任せられることが増えます。それらの業務に関われるようになると、年収1000万円も夢ではないと言えるでしょう。
当然ながら該当職種についての専門知識はもちろんのこと、プラント自体の知識(工学)も必要となります。 プラントで扱ったり、製造されたりするもの(例えば食品・薬品・エネルギー関連・セメントなど)が違えば、プラントの作りが変わってきますので、プラントで扱うそれぞれのジャンルについての知識や経験が必要になる世界です。 またプラント建設のプロジェクトは、多くの職種のスタッフが共同作業で進めていくことが一般的です。 専門的な技術や知識だけでなく、相手と円滑に作業を進めることができるコミュニケーション能力も求められます。さらに管理職など上のポジションになれば、部下を束ねる能力も必要になります。
プラントの建設においては、日本国内では建設数が限られているため、受注は海外にシフトしています。 「プラント業界=海外での仕事」と言っても過言ではなく、海外で仕事をする機会が多くなったり、場合によっては海外にしばらく滞在したりするケースも発生します。 海外で活躍するエンジニアであれば、年収1千万円を超えるプレイヤーも少なくありません。 しかし、海外でのプロジェクト参加となれば、現地のスタッフとのやり取りが必須となり、英語などの外国語スキルも求められます。 プラントを建設する国と言えば、中東やアジアなどの新興国や開発途上国がメインとなるため、現地の環境や食事などにも適応でき、メンタル面を維持する身心の強さも必須と言えます。 このように特殊なスキルだけでなく、強い体力や精神力も求められる分、他業界のエンジニアと比べても給料が高額になるケースが多いのです。
プラントは、私たちの日常生活に欠かせない燃料をつくっていたり、危険な薬品を取り扱っていたりすることが多く、業務の責任が非常に大きい仕事です。 規模も大きく一つ間違えると大きな事故や損害に繋がる可能性もあるため、責任の重さから年収が高くなっています。 また、プラントは24時間稼働するものですので、職種によってはシフトでの夜勤勤務や長期出張もあります。変則的な勤務があることも、平均年収を上げる要因となっています。
これからプラントエンジニアを目指す場合、どうすれば高い年収となれるのか気になる方も多いと思います。年収を上げるためのポイントを紹介します。
プラントエンジニアになるために必須の資格はありませんが、資格を取得することで知識やスキルの証明になり、資格によっては専門的な業務にも携われるようになります。 プラントの種類や担当する業務によって、関連する資格は変わりますが、お勧めの資格は、「機械設計技術者」「CAD利用技術者試験」「施工管理技士」「監理技術者」です。 もし、海外での活躍を希望するのであれば、TOEICやTOEFLなどの外国語スキルの証明できる資格もあると良いでしょう。
プラントエンジニアとしてある程度経験を積んでいるのであれば、企業規模の大きい企業へ転職するのもおすすめです。規模の大きい企業の場合、全国に管理するプラントを持っているため転居を伴う転勤が発生します。しかし、その分給料は転勤のない企業と比べて高い傾向にあります。住む場所にこだわりが無いのであれば、このような働き方もおすすめです。 <企業規模別平均年収> 10~99人 :514万円 100~999人 :560万円 1000人以上 :683万円 (出典:令和4年賃金構造基本統計調査
プラントエンジニアの方にオススメの働き方の一つとして、「技術者派遣」があります。派遣と聞くと、「安定しないのではないか」等、不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、技術者派遣は希望の働き方に合わせて柔軟に働けるのがメリットです。 例えば、「とにかく収入重視」で働きたいのであれば、一つのプロジェクトが終わったあとすぐに次のプロジェクトを紹介することも可能ですし、「プロジェクトが終わったあとは少し休みたい」のであれば、次のプロジェクトまでの間に長期のお休みも作れます。 さらに、場所を問わず探すのであれば、全国の仕事の紹介をしてもらうこともできますので、より良い条件を探したいという方にもおすすめです。
プラントには、他の建物と同じように「耐用年数」があります。保守・点検・修理などの定期的なメンテナンスが法律で決まっていて、一定期間を過ぎると建て替えが必要となります。そのため、プラントが存在し続ける限りプラントエンジニアの仕事はなくなりません。プラント自体も、私たちの生活を支える電気・ガス・水とも密接に関係しているので、無くなる可能性は低いといえます。そのため、プラントエンジニアの需要は今後も続くといえます。 また、現在世界的に二酸化炭素削減が掲げられていますが、プラント業界もその影響からより効率化をするための技術の発明や省エネルギーの装置の制作が進んでいます。今後はこれらの新しい技術を取り入れるメンテナンスも必要になってくると考えられています。 今後も高い需要が期待されています。
今回は、プラントエンジニアの平均年収や、他の業種と比べても高額である理由などについいて解説しました。 プラントエンジニアは、日常生活に必要不可欠なものを作る工場を支える仕事ですので、人々の生活を支えている仕事と言えます。さらには海外のプロジェクトにも携われ、非常にやりがいのある仕事の1つと言えるのではないでしょうか。 私たちトライアローは、技術職を得意とする派遣会社です。プラントエンジニアに興味をお持ちいただきましたら、お気軽にご相談ください。
1979年に、化学プラントの設計事務所としてスタートしました。プラントの建設には実に多種多様な人材が集まるため、そこでできた人的ネットワークをより業界のために役立てたいと考え、1986年に派遣法が整備されると同時に派遣事業に参入。長く化学プラントの設計や建設、メンテナンスに携わってまいりました。 現在は建設業界以外にも、IT・通信系の仕事も多く扱っています。 当社ならではのお仕事もご用意しています。
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