公開日:2015/05/07 最終更新日:2015/05/07
工事担任者は「電気通信設備の工事担任者」とも呼ばれ、電話回線やCATV、光回線などの配線工事、設備の設置ができるほか、それらを監督するための資格です。ここでは工事担任者の資格やスキルについてご紹介します。
工事担任者は、ネットワーク関連の仕事には必要不可欠な資格で、電話回線を電柱から家やオフィスなどに引き込む工事や、屋内でのモジュラーまでの配線工事などが行える資格です。この資格は種類が分かれていて、資格の種類によっては、光ファイバーなどインターネット関連の配線や引き込み工事も行うことができます。監督権も兼ねているので、現場で監督したり指示したりすることもできます。
前述の通り、工事担任者は配線工事やネットワーク設備の設置ができます。そのため、通信関連の現場で活かせる資格と言えるでしょう。各家庭での配線工事業務はもちろん、企業内でのネットワーク構築や保守点検、電気設備業界などでも有利な資格です。そのほか電気工事士や無線関連の資格と合わせれば、さらに活躍の場が広がります。
では、工事担任者の種類について一つずつ解説します。
アナログ伝送路設備(現在の一般電話回線など)に端末設備等を接続するための工事、及び、総合デジタル通信用設備(電柱や地下に敷設されている光ファイバケーブル・ケーブルテレビ局の同軸ケーブル・電話線や携帯電話で利用される基地局の無線など)に端末設備等を接続するための工事が行える資格です。第一級では電気通信回線数の制限なく工事に従事できます。工事規模に制限が無いため、大型のPBXの接続工事等の設置工事を行うことができます。
第一級アナログ通信と同様に、アナログ伝送路設備に端末設備等を接続するための工事及び、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事が行える資格です。第一級と異なるのは、端末設備に収容されている回線数が1のものに限るという点です。主に一般家庭用の電話機やファクシミリなどの屋内工事をするために必要となります。
第一級デジタル通信はデジタル設備(光回線など)の工事が行える資格です。こちらもアナログ通信と同じく第一級と第二級で扱える回線に違いがあり、第一級はISDN(総合デジタル通信用設備)を除く、すべての接続工事ができます。そのため、大型IP-PBXやOA複合機などの接続工事に必要とされます。
第一級デジタル通信と同様に、デジタル設備(光回線など)の工事が行える仕事です。主に家庭向けの、回線速度が毎秒1ギガビット以下のインターネットに接続するための工事に従事することができます。第一級同様、ISDNに接続するための工事は出来ません。主に自宅や小規模のオフィスへのパソコン、ルータ接続工事に必要とされます。
総合通信は、アナログ通信とデジタル通信の両方の工事範囲、全ての端末接続工事に工事担任者として従事することができます。これを持っていれば全ての通信回線工事が可能になります。スペシャリスト的な資格で、いずれはこの資格取得を目指すとよいでしょう。
ここまで、5種類の工事担任者について説明しました。 実は令和3年に工事担任者の資格制度が改正されていて、以前は名称が異なりました。以前は以下のような資格区分となっていました。
令和3年3月までの資格名称の資格者証は、令和3年4月以降、対応する資格名称の資格者証とみなされます。 AI第二種及びAI第二種は廃止となるため、経過措置として試験が実施されました。
令和6年度の工事担任者の試験は、以下のような形で実施されます。
工事担任者の受験資格に制限はありません、年齢や学歴、経験などがなくても受験できます。 合格率は種類によっても差があるものの、令和5年度試験の各第一級試験及び総合試験の合格率は29%程度となっていて、受ければ合格するようなやさしい試験ではありません。しかし、CBT方式の合格率は54%程度です。最初は入門的に第二級を受けるのも良いでしょう。※出典:日本データ通信協会発表の試験実施結果 試験は3科目あり、1科目40分です。(総合通信の「端末設備の接続のための技術及び理論」のみ80分)条件を満たす場合は試験科目の免除が可能なこともありますので、当てはまるかどうか確認すると良いでしょう。また、養成講座で一定の課程を受講し、修了試験に合格することでも取得できます。
最新の情報については、WEBサイトで確認を行うようにしましょう。 一般財団法人 日本データ通信協会 電気通信国家試験センターホームページ
工事担任者を取得するメリットとして、該当する工事に関われるという点の他に、技術力の証明になるという点が挙げられます。試験に合格をしていることで工事担任者としての技術力の証明となり、社内での評価が上がる他、転職活動の際にも役立てられるといえるでしょう。当然、昇給等の待遇アップに繋がる可能性もあります。 また、情報通信エンジニアの受験資格を得ることができるというのもメリットの一つといえます。情報通信エンジニアとは、情報通信分野の工事担任者向けの資格で、情報通信分野及びその関連分野について、継続的に学習し、知識及び技術の向上を図っていることの証明となる資格です。この情報通信エンジニアの受験資格として、工事担任者または電気通信主任技術者または無線従事者の資格が必要となります。工事担任者資格を取得することで、情報通信エンジニアの資格取得の道を開くことが可能です。
工事担任者は通信業界では登竜門的な資格です。通信関係のエンジニアを目指すならまずは取得してほしい資格の1つです。まずはご自身の目指す道に合う資格取得を目指して挑戦してみてはいかがでしょうか。
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