女性エンジニアの転職・再就職事情

公開日:2015/04/27 最終更新日:2015/04/27

転職を考える皆さんにお届けしているトライアローラボですが、今回から「女性エンジニアの働き方研究室」を設置いたしました。ワークライフバランスについて、皆さんの意識や現状、それにまつわる世の中の動向、またエンジニア業界に特化した派遣サービスを行う当社ならではの情報等を発信し、結婚や子育てといったライフステージの節目でも、女性エンジニアの皆さんが継続して働き続けられることを考えて行きます。

まず今回は、当社が女性エンジニアを対象に行ったアンケート調査の結果を発表して行きます。これは、2015年2月に女性エンジニアの退職・再就職についてのアンケートをインターネット上で実施したものです。今回はダイジェスト版として、結果をいくつかご紹介します。

エンジニアという仕事自体男性の多い職種ではありますが、最近は“リケジョ”“ドボジョ”の名称もマスメディアで一般的となり、エンジニアとして働く女性も増えつつあります。エンジニアの仕事は世の中を動かすモノを作る醍醐味、また専門性が生かせる面白さもある反面、IT、建築土木、電子機器等領域を問わず「長時間拘束」「激務」「土日関係なし」と、厳しい労働環境がつきまといがちです。まだまだ自分ひとりの生活だけを考えればいい年齢ならば、自分の意思と体力次第で仕事はいかようにもこなせますが、結婚そして妊娠・出産、また親の介護といった人生の節目を迎えた時、果たして今までと同じように仕事ができるのでしょうか?

これにはNOと答える人が多いのではないでしょうか。実際にエンジニアという職を諦めてしまう人、またはエンジニアは続けていても働く上での価値観を変えなければいけなくなる人も多いようです。今回はそんな女性エンジニアたちの生き方が垣間見えたアンケート結果となりました。


【本調査概要】
調査期間: 2015年2月20日~23日
調査対象:エンジニア職に就く(または就いていた)女性/1都3県在住、25~49歳
回答数:100人
調査方法:インターネットリサーチ


結婚、妊娠、出産、育児、介護、家族の転勤等、何かしらのきっかけで

まず、「あなたは転職または退職をしたことがあるか」を聞いたところ、「ある」が78.0%、「ない」が22.0%となりました。また、「結婚、妊娠、出産、育児、介護、家族の転勤等、何かしらのきっかけによる、転職・退職をしたことがあるか」を聞いたところ、「ある」が58.0%、「ない」が22.0%という結果になり、約6割がライフステージの節目で、仕事を辞めているということがわかりました。

結婚→出産と状況が変わると、働きやすさの感じ方も変わる

続いて、「現在エンジニアとして働いている会社(またはエンジニアとして働いていた直近の会社)は結婚・出産後も続けられる環境だと思うか」の質問に、「とても思う/まあ思う/どちらともいえない/あまり思わない/全く思わない」で回答してもらったところ、結婚後は「まあ思う」が最多だったのに比べ、出産後は「どちらともいえない」が最多となり、状況が変わると働きやすさの感じ方も変わるという結果になりました。

さらに、出産後「続けられると思わない」に回答した人に、その理由を聞いたところ「就業時間が長く、両立は無理」「土日の作業もあるから」等、労働時間に関する声が多数だった中、「前例がない」「男性9割の社会で、子供の都合で早退やお休みが難しい」といった、エンジニア業界ならではの回答も見られました。

Q出産後も続けられないと感じる理由は?

  • 「就業時間が長いため育児との両立は難しい」(41歳/埼玉県)
  • 「夜遅くまでの作業がある。 土日も出なくてはいけない」(36歳/東京都)
  • 「体力・精神面での消耗があり、子供にしっかり目を向けたいとなれば時間的にも無理」(44歳/東京都)
  • 「前例がない」(47歳/東京都)
  • 「男性9割の社会で、子供の都合での早退やお休みは難しいから」(49歳/東京都)

就業先を選ぶ際、重要視することは「勤務地」「勤務時間」「職種」

では現在の(または直近の)就業先を選ぶ際、どんな点を重要視したのか聞いたところ、報酬面や福利厚生、社風を抜いて、「勤務地」(84.6%)「勤務時間」(75.6%)「職種」(74.3%)がTOP3となりました。ちなみに、当社が同時期に行った男女のエンジニアを対象とした「転職にまつわるアンケート」では、「給与・待遇」「勤務地」「職種」がTOP3だったことから、25歳以上の女性エンジニアは報酬等自分が得られるもの・ことよりも、場所や時間にかかわることを優先していることがわかりました。結果の詳細や比較は以下の通りです。


【参考】転職にまつわるアンケート「就業の際、重要視する項目」
調査期間: 2015年2月20日~23日
調査対象:エンジニア職に就く(または就いていた)男女/1都3県在住、25~39歳 
回答数:300人
調査方法:インターネットリサーチ

「勤務地」は通勤時間にかかわってくるものであり、「勤務時間」は家事や子育て、介護にどれだけ時間を使えるかどうかにかかわってきます。「職種」も今までのものを維持するかジョブチェンジするかで、仕事との関わり方に関与してきますし、業務内容によって「勤務時間」にも影響します。

この結果を見ても、夫や子供、親など他者と生活していくために “時間”を非常に強く意識しているかがわかります。反面、報酬・福利厚生・社風といった、仕事をする上で自分が満たされる要素は二の次になってしまっていることが顕著に表れています。この状態に満足か不満足かは、人によって違いがあるとは思いますが、トライアローでは今後も女性エンジニアが現在の家庭環境も維持しながらキャリアを継続していける形はどういったものなのかを考えていきたいと思います。

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