公開日:2023/11/29 最終更新日:2024/12/09
システム運用保守とは、企業のITシステムを安定して稼働させ、業務を支えるために必要な業務の一つです。 そもそもシステムとは直訳すると組織や制度という意味で、IT業界では、サーバーやネットワーク、ハードウェア、ソフトウェアなどから構成される仕組みのことを指します。 システム運用保守は、企業のITシステムを安定して稼働させ、業務を支えるために必要な業務の一つです。運用と保守はそれぞれ業務が異なり、「システムの運用」と「システムの保守」の二つに分けられます。
「運用」とは、システムが円滑に動作するために必要な業務や作業を行っていくことです。具体的には、システムの管理や操作指示、設定変更、システムの監視等が含まれます。 一方、「保守」とは、システムの故障や問題を未然に防ぎ、万が一の障害発生時には素早く復旧するためのメンテナンスや修復作業、システムのアップグレードなどを行うことです。 システムを止めず、安定したシステム運用を行うためには、これらの「運用」と「保守」の両方が欠かせません。それぞれの業務の違いについて、詳しく解説いたします。
システム運用は、その名の通り、システムが円滑に機能し続けるための作業を指します。主にシステムの監視や管理に注力し、問題が起きた際には速やかに対応することが求められます。情報システムが目指す目的を達成するために必要となる業務であり、その中心となるのが「監視」と「管理」です。システム運用が円滑に進行し、システム全体が正常に作動し続けるためには、これらの要素が欠かせません。
監視業務は、システムとサーバーの運用状況をリアルタイムで見守り、問題が発生すればすぐに対応をすることで、運用と維持を行う業務です。サイトがダウンしないように、システムが停止しないように監視を行います。何か不具合が起きた場合、業務に重大な影響が発生してしまう可能性もあります。特に、自社で開発したシステムを他の企業へ提供している場合、他社にまで影響が出てしまう可能性も無いとは言えません。不具合が起きないよう、日々の厳格なシステムとサーバーの運用及び監視を行います。 しかし、監視と言っても単にモニターを眺めるだけではありません。システムの異常が発生した場合、問題の特定から解決に至るまで、ハイスピード且つ正確な判断と対応が求められます。ネットワーク内のシステムとサーバーの維持を続けることで、全体のパフォーマンスの維持と業務への影響を最小限に抑えることができます。 具体的な業務内容としては、システムのログの確認や、サーバーの負荷状況の監視などです。これらを通じて、システム運用者はネットワーク内の状況を把握し、問題が発生した際には即座に対応を行います。 システム運用と監視、そしてサーバーの維持は一見地味な仕事かもしれませんが、それ等により日常生活で使用している多くのサービスが支えられています。
運用を円滑に進めるためにハードウェアやソフトウェアのメンテナンス、アップデート、定期的なチェックと修正作業を行います。適切な管理を通じて、システムの安定化を図る業務です。サーバーやネットワークの適切な設定と管理をすることは、情報の安全性を保つために必要不可欠と言えるでしょう。
アクセスの制御をすることも管理業務の一つです。不正アクセスを防ぎ、情報漏洩を未然に防ぐための役割を果たしていて、適切な分類ルールに基づき情報を整理することで、必要な情報に迅速にアクセスできるメリットもあります。安定かつ迅速な稼働のための管理業務は、ITシステム全体のパフォーマンスに直結します。
データバックアップも行います。データは企業の重要な資産のひとつと言え、データの喪失は企業にとって莫大な損害をもたらします。そのため、定期的にデータのバックアップを取りますが、単にバックアップを取るだけではありません。万が一のために、リカバリー手順の確立とその適用も必須です。これにより、トラブル時の混乱を最小限に抑え、迅速に通常業務に復帰できる体制を整えます。
システム運用とは質の高いサービスを提供し続けるために欠かせません。業務の改善をすることは、業績向上にも繋がります。改善方法は様々ありますが、各システムの稼働状況や効率を分析し、その運用をより効率的かつ効果的に行えるように改善していくことが多いです。 そのため、運用のマニュアル化も重要な業務の一つです。業務の標準化が行うことで、システムの安定運用をサポートし、想定外の誤操作やトラブルを防止する役割も果たします。プロセスを最適化し、不必要な手順や作業を排除することで、より良いシステム運用が実現されます。改善・マニュアル化は時間と労力がかかりますが、その効果は高く、システムの安定性や生産性の向上が可能です。 それぞれの企業に合わせた適切なシステム運用と管理を行うことで、大切なデータを守り、企業の働きやすさと業績を向上させます。
システム保守業務は、システムトラブルや障害から復旧させ正常化させる業務です。 問題が発生した時には迅速な対応と解決が求められ、企業の信頼性を高める役割も担います。
システム監視によりネットワークやサーバー上での障害を発見したら、その原因の究明、復旧を行います。いかに被害を最小限に抑えることができるか、早期に解決できるかがとても重要です。また、トラブル発生時の情報を記録・保存します。
適切なアップデート・バージョンアップを行い、障害やトラブルを未然に防ぎます。
ハードウェア機器が故障した場合は、ハードウェアの機器や部品交換も行います。このように業務の幅は広いため、一部は専門知識を持つ外部の業者に委託する形、いわゆる第三者保守という形でも行われています。