公開日:2023/09/22 最終更新日:2023/09/22
プロジェクトマネージャーは、システム開発等のプロジェクトの責任者です。プロジェクトの進行管理として、予算や納期、品質、人員などを管理します。 プロジェクトの立ち上げ~クライアントへの納品まで長く関わることになるため、仕事内容は多岐に渡り、プロジェクトや企業により、どこまでプロジェクトマネージャーが担当するか異なるケースがほとんどです。今回は、仕事内容の一例を紹介します。
クライアントの要望や課題をヒアリングし、どのようなシステム・サービスを開発するかを決定します。開発するシステムやサービスの構造、機能だけでなく、予算やスケジュール、人員、工数を含めた開発計画書を作成します。
必要な人員を元に、プロジェクトチームの編成を行います。それぞれのスキルや役割を把握し、プロジェクトが円滑に進められるような配慮が必要です。
プロジェクトメンバーに対し、開発の概要やスケジュール、納期などの説明を行います。この時、システム開発の目的や顧客の要望なども伝えることでメンバーの意識を統一することも大切です。 プロジェクトがスタートした後も随時進捗状況を確認し、スケジュール通り、定められた品質での作成ができているかを確認します。プロジェクトを進めている途中で変更が入ることも多くありますので、その場合にも都度チーム全体へ周知が必要です。また、トラブルが発生した場合にはクライアント等との交渉も行います。
プロジェクトを計画通り且つ遠隔に進めるには、チーム内でのコミュニケーションが欠かせません。メンバー間でのコミュニケーションが取れていないと報告漏れなどのトラブルが発生し、トラブルが生じた場合、プロジェクト全体の遅延に関わってしまうケースもあります。チームが円滑にコミュニケーションをとれるようにサポートをしていくこともプロジェクトマネージャーの仕事の一つです。
プロジェクトの進行中及び完成後にレビュー・評価を行います。成果物の品質の確保のために、進行中も設計書やプログラムのチェックを随時行い、必要であれば改善指示を行うこともプロジェクトマネージャーの仕事です。プロジェクト完成後の評価では、プロジェクト中に見えた課題やその解決方法、回避方法についてもまとめ、今後の開発に活かせるように報告書の作成を行います。
ここまで説明させていただいたように、プロジェクトマネージャーはプロジェクトの責任者の一人として様々な業務を行います。ここでは、プロジェクトマネージャーの役割について、よく混同される他のポジションとの違いを解説します。
プロジェクトリーダーはプロジェクトマネージャーの指示のもと、現場の実務チームを管理する役割です。プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体の管理者であり、プロジェクト成功のために、プロジェクト全体を一つにまとめ、全体像を俯瞰で見ながら問題や課題を解決に導き、スムーズに進行できるようマネジメントします。プロジェクトリーダーは現場の管理者であり、チームを一つにまとめ、現場の先頭に立って引っ張るリーダーです。
企業により若干定義が変わりますが、プロダクトマネージャーは自社製品のプロダクト開発の責任者の役割とされることが多いです。プロダクトマネージャーは製品(プロダクト)の責任者であり、プロジェクトの達成を目標にプロジェクト全般の進行の管理を行います。プロジェクトリーダーはプロジェクトの責任者であり、より多くのユーザーの課題を解決でき、収益を獲得できる製品の開発や改善を行います。プロダクトマネージャーとプロジェクトリーダーは、製品やプロジェクトの品質を確認し、チームをけん引していくという意味では近いポジションかもしれません。
では、プロジェクトマネージャーからのキャリアプランはどのようなものがあるのでしょうか。経験や目標により異なりますが、一例を紹介します。
最初のステップは、プロジェクトマネージャーとしての経験を積むことです。先ほどご紹介した業務内容である、プロジェクトの計画、実行、監視、制御を担当し、成果物の納期と品質を確保する役割を果たします。
プロジェクトマネージャーとしてのスキルを向上させるために、専門知識を深めます。特定の業界やプロジェクトに関する知識を習得し、その分野でのプロジェクトの成功に貢献できるようにしましょう。
プロジェクトマネージャーは、チームをリードし、プロジェクト目標の達成に向けてメンバーを指導する役割を果たします。リーダーシップスキルの発展やコミュニケーション能力の向上に取り組むことは重要です
プロジェクトマネージャーとしての経験を積んだ後、管理職への昇進を目指すことができます。プロジェクトマネージャーの上位職位や、プロジェクト管理部門のリーダーとしての役割を目指すのも良いでしょう。
より高度なプロジェクトマネジメントのスキルを習得し、PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)などの資格を取得しましょう。資格を取得することで、スキルの保証となり、社内評価が上がるだけでなく転職活動でも有利に働きます。
プロジェクトマネージャーとして上位職種を目指す以外にも、選択肢はあります。一例としては、プロジェクトマネージャーの経験と知識を活かし、他の組織やプロジェクトチームに対してコンサルティングやトレーニングを提供する活動に進むなどです。 プロジェクトマネージャーとしてのキャリアを発展させるには様々なステップがありますが、重要なのは、自身の興味や目標に合わせて適切なステップを選択し、継続的な学習と成長を追求することです。
プロジェクトマネージャーになるためには、プロジェクト関連の経験を積み重ねることが重要です。まずはプロジェクトへの参加から、プロジェクトチームの一員として貢献できるようにしましょう。経験を通じてプロジェクトの流れやプロジェクト管理の基本を理解し、実践的なスキルを磨くことができます。また、ただプロジェクトに参加するだけではなく、学習が必要不可欠です。プロジェクトマネジメントのトレーニングコースやセミナーに参加するのも良いでしょう。PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)などの資格を取得することもキャリアの発展に役立ちます。
プロジェクトマネージャーは、資格が無くても就くことができます。しかし、資格を持っていることで、自分のスキルの保証となり昇給や転職で有利に働くこともあります。プロジェクトマネージャーにおすすめ資格を紹介します。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験の一種です。システム開発プロジェクトにおいて、プロジェクトの目的の実現に向けたプロジェクトマネジメント業務を担う人物を対象にしています。受験資格は無く誰でも受験が可能な資格ですが、2023年秋期の合格率は14.4%と非常に難易度の高い試験です。しかし取得するメリットは大きく、実際のプロジェクトマネジメントで活かせることはもちろん、官公庁系システムの開発案件では、この資格の合格者の存在が入札条件となっていることもあります。そのため企業側としても採用するメリットの大きい資格であり、資格を取得することで転職活動も有利になると言えるでしょう。
PMPとはプロジェクトマネジメント・プロフェッショナルの略で、米国のプロジェクトマネジメント協会であるPMIが認定している国際資格です。プロジェクトマネジメントの専門家であることを証明する資格で、受験資格として実務経験は必要となりますが、世界中で認知されている資格のため取得のメリットは大きいでしょう。 受験資格として、プロジェクトの実務経験及びプロジェクトマネジメントに関する事前学習が必要です。実務経験に関しては最終学歴により必要となる経験期間が異なります。資格を取得した後も、資格を維持するためには更新が必要となりますので注意しましょう。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験の一種です。ITを活用したサービス、製品、システムおよびソフトウェアを作るために必要な応用知識・技能を持っている人物を対象にしています。プロジェクトマネジメントに特化した資格ではありませんが、試験では経営戦略や方針についての理解や問題への独力での解決力を計る内容もあり、資格の勉強をすることでプロジェクトマネージャーとしての知識向上にも繋がると言えるでしょう。
最後に、プロジェクトマネージャーとして成功するための秘訣について解説します。
プロジェクトの成功には、明確な計画と適切なスケジュール管理が必要不可欠です。目標を設定し、タスクを適切にスケジュールして、リソースを最適に活用しましょう。
プロジェクトには、予期せぬリスクや問題が起こることがほとんどです。プロジェクトマネージャーは、リスクを事前に特定し、適切な対策を講じることが求められます。問題が発生した際には、迅速かつ効果的に解決策を見つけましょう。
プロジェクトマネージャーの仕事は、コミュニケーションとステークホルダーの適切な管理が欠かせません。プロジェクトマネージャーは、ステークホルダーとの定期的なコミュニケーションを確保し、期待や要件を明確にしましょう。しっかりと意思疎通をとっておくことで、プロジェクトの進行や課題の解決に役立てられます。
プロジェクトの成功には、チームメンバー間での関係性構築が必要です。プロジェクトマネージャーは、チームメンバーのスキルや能力を最大限に活かすために、コミュニケーションや協力を促進し、チームのモチベーションを高めるようにしましょう。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の管理・推進を担うとてもやりがいのある仕事です。ITエンジニアのキャリアの方向性としても人気があります。 しかし、上流工程でマネジメントを行うより、現場での技術力を高めていきたいという方もいらっしゃると思います。エンジニアには様々なキャリアの選択肢がありますので、キャリアや仕事のお悩みがございましたら、是非トライアローにご相談下さい。
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