公開日:2020/12/16 最終更新日:2020/12/16
陸上特殊無線技士は、陸上の無線通信に用いる設備の技術的操作が扱える資格です。 テレビの中継局や携帯電話の基地局などの設備操作、さらには警察や消防無線の基地局設備も扱うことができます。 陸上特殊無線技士の資格は、扱える範囲によって4種類の資格に分かれます。
一陸特は「空中線電力500W以下の多重無線設備で30MHz以上の周波数の電波を使用するものの技術操作」ができる資格です。 テレビの中継局や携帯電話の基地局など移動体通信関連の仕事に就くには必須の資格です。もちろん第二級・第三級の資格の範囲の操作も可能です。
二陸特は「空中線電力10W以下の無線設備で1606.5kHzから4000kHzの周波数の電波を使用するものの技術操作」ができる資格です。 衛星との通信、気象レーダーの操作、スピード違反などを取り締まるネズミ取りのレーダーの取り扱いにも二陸特が必要となります。 三陸特の範囲の操作も扱えます。
三陸特はさらに周波数の範囲が限られている無線設備の技術操作が扱える資格です。 消防や警察、タクシーなどの無線基地局の操作や扱いは、三陸特があれば可能です。
上記の第一~三陸特とは内容が異なり、国内において船舶無線または航空無線以外のモールス信号の操作が扱える資格のことをいいます。 ごく一部の分野で需要はあるものの、現在ではこの資格が活かせる仕事はほとんどありません。
陸上特殊無線技士の受験資格に年齢制限や必須資格などはありません。試験は誰でも受けることができます。 試験は無線工学と法規の2つがあり、
で合格です。 両方基準点に届かないと合格できません。
合格率は 二陸特・三陸特は70~80%程度、とそれほど難しくはありませんが、 一陸特は無線工学の内容がかなり高度になるため合格率は30%程度、とかなり難易度が上がります。
試験の内容としては、複数の選択肢の中から正しい、あるいは間違っているものを1つ選んだり、 最適な組み合わせを選ぶなどマークシートの択一式です。誰でも受けることができる反面、専門用語や知識も必要となります。 また、養成講座で一定の課程を受講し、修了試験に合格することでも取得できます。
陸上特殊無線技士の資格を持っていると、携帯電話の通信など移動体通信関連の設備操作等の仕事で幅広く活躍できます。 このような通信設備に関わった仕事を考えているなら、まずはこの資格を持つのが条件となるでしょう。 さらには消防や警察、タクシーなどの無線基地局での操作や、 レーダーなどを扱う気象や衛星関係の仕事でも、この資格を持っていることで就職に有利になるでしょう。 特にどんどん新しい通信方式が開発されている携帯端末通信関連においては、 陸上特殊無線技士の資格を持っているだけで優遇されることがあるようです。 通信分野の仕事に就きたいとお考えの方にとって、陸上特殊無線技士は必須の資格といえるでしょう。 国家資格でもあるため試験で容易に取得することは難しいものの、養成講座などを行い、資格の取得支援を行っている企業もあります。ぜひチャレンジしてみてください。
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