システムエンジニア(SE)とは?プログラマーとの違いや業務内容、将来性について解説!

公開日:2023/10/30 最終更新日:2023/10/30

システムエンジニア(SE)とは?プログラマーとの違いや業務内容、将来性について解説!
システムエンジニア(SE)は主にIT業界で活躍する職種の一つです。本記事では、詳しい業務内容やプログラマー・プロジェクトマネージャーとの違い、システムエンジニアに必要なスキル、おすすめの資格、将来のキャリアパスについて解説いたします。

システムエンジニア(SE)とは?

システムエンジニアとは、情報システムやソフトウェアの設計・開発を行う職種です。いわゆる「上流工程」を担当し、開発の現場においてシステムの仕様のヒアリングや要件定義、システムの設計を行います。
「エンジニア」と聞くとプログラミング業務をイメージする方も多いのではないでしょうか。実はプログラミング業務は、システムエンジニアが担当する場合もありますが、プログラマーに依頼するケースもあります。会社の規模や形態により細かな業務内容や役割は変わりますが、一般的にシステムエンジニアが担当する業務とその内容について解説していきます。

システムエンジニアの仕事内容

システムやソフトウェアの開発の流れに合わせて業務を解説します。

クライアントからのヒアリング

クライアントが解決したい課題や求めているシステムについてヒアリングします。システムエンジニアも実際に打ち合わせに参加し、悩みや要望を聞き出す業務です。

要求分析

ヒアリングした内容を基に、クライアントの課題解決に必要なシステムを整理・分析します。予算や納期などから全ての要望を叶えられないこともあるため、優先順位の確認も必要です。

要件定義

分析した結果を踏まえ、開発するシステムやソフトウェアの概要を決定します。要求分析で整理したクライアントの課題や要望を見失わないことが大切です。

基本設計

要件定義で定義した概要を基に、システムやソフトウェア全体の構成、仕様、機能を決定します。レイアウトや操作方法、インターフェース等の大枠の設計を行います。実際に使用するユーザー視点での仕様を決めるのが基本設計です。

詳細設計

基本設計で決めた構成や仕様、機能通りにシステムやソフトウェアが動作するように、具体的な設計を行います。プログラマーが実装できるように、それぞれの要件を掘り下げ、作業に必要な仕様書を作成します。プログラマーなどの開発者向けの仕様を決めるが詳細設計です。

プログラミング

システムエンジニアが作成した指示書に基づいてプログラムを作成します。先ほど説明した通り、システムエンジニアもプログラミングを担当するケースや、プログラマーに全て依頼するケースがあり、企業やプロジェクトにより異なります。

テスト

完成したシステムやソフトウェアが設計通りに動くかどうかテストをします。不備やバグが無いかの最終確認もここで実施します。

運用・保守

場合によっては、システムやソフトウェアを納品して終わりではなく、その後の運用保守として、メンテナンスや障害対応などを行うこともあります。運用業務ではトラブルを未然に防ぐ業務で、保守業務はトラブルが発生した場合の復旧対応などです。また、システムの改善点、変更点があれば改修となる場合もあるでしょう。

システムエンジニアと他の職種の違い

ここまでシステムエンジニアの業務内容について知り、プログラマーなどの他の職種との違いについて気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、企業やプロジェクトにより業務の線引きや定義が変わります。ここでは一般的な違いと特徴について解説します。

システムエンジニアとプログラマーとの違い

システムエンジニアはいわゆる「上流工程」であるヒアリングや要件定義、基本設計部分を担うのに対し、プログラマーは「下流工程」と呼ばれるプログラミングを担います。
一般的にプログラマーはプログラミングに特化した専門職というイメージですが、システムエンジニアはそのプログラマーのマネジメントなども行い、より責任や裁量が大きいです。実際、システムエンジニアにもプログラミング全般の知識が求められることから、プログラマーからシステムエンジニアにキャリアアップするケースも多いようです。

システムエンジニアとPM(プロジェクトマネージャー)との違い

PM(プロジェクトマネージャー)は、要件定義や設計を担うシステムエンジニアのさらに上に立ち、チームやプロジェクト全体を管理する存在です。システムエンジニアからキャリアアップとしてプロジェクトマネージャーを目指すことも多く、プロジェクトマネージャーはシステムエンジニアに必要なスキルに加え、プロジェクトの管理者としての管理力が求められます。

システムエンジニアとネットワークエンジニアの違い

ネットワークエンジニアは、その名の通りネットワークに特化したエンジニアです。システムエンジニアがシステムの開発のための設計などに特化しているのに対し、ネットワークエンジニアはネットワーク機器の設計や構築、運用、保守を行います。インターネット通信を快適に行えるように、ネットワークの設計としてルーターなどの機器の導入から回線の種類の決定などを行います。ネットワークエンジニアは通信に関しての専門家というイメージです。

システムエンジニアに必要なスキル

システムエンジニアに求められるスキルとして、以下のようなものが挙げられます。

コミュニケーション力

システムエンジニアと聞くと、1日中パソコンに向き合ってコツコツと作業しているイメージがある人もいるかもしれませんが、コミュニケーション力はシステムエンジニアに欠かせないスキルといえます。クライアントとの打ち合わせでのヒアリングなどもコミュニケーション力が求められますが、それ以外の作業でも必要です。というのも、企業でシステムやソフトウェアを開発する場合、一人ですべての業務を行うことは出来ず、必ずチームで行います。システムエンジニアは状況によってはチームメンバーをまとめる必要があることもあり、コミュニケーションはとても重要です。

開発スキル(技術力)

システムエンジニアは上流工程である要件定義や基本設計を担当しますが、システム開発に必要な知識やスキルも身につけると良いでしょう。具体的には、クライアントにシステムの提案や説明をするとき、システムの設計を行うとき、設計した詳細をプログラマーに依頼するときに必要となります。また、クライアントの要望を再現するには様々な選択肢がありますが、その中から最適な手法を選択するためにも技術力が役立つでしょう。IT業界では最新の技術やトレンドが変わるので、継続的にアップデートしていくことが求められます。

業界知識

業界によりビジネスの仕組みや必要となる要件が異なり、クライアントの状況を深く理解し、最適な提案をするためにはそれぞれのシステムや業界の知識が求められます。Saasのシステムや社内システムから、金融業、車などの製造業、などさまざまなシステムや業界での経験があるシステムエンジニアは重宝されるでしょう。

システムエンジニアに向いている人

ではシステムエンジニアに向いている人はどのような人なのでしょうか。

学習意欲がある人

先ほども少し説明しましたが、IT業界は新たな技術が開発され続けていて業界のトレンドも変わります。そのため、システムエンジニアとして長期的に活躍していくためには、知識やスキルを常にアップデートしなければなりません。自ら意欲的に情報収集や学習をできる人はシステムエンジニアに向いているといえます。

論理的思考力のある人

クライアントの要望を取り入れて要件定義、設計をしていくために必要なのが論理的思考力です。論理的思考力とは、問題や物事などの複雑なものを整理して正しく把握し、解決のために矛盾の無い筋道を立てる思考法です。クライアントの目的に向けて必要なことを整理・分析するために役立つスキルと言えるでしょう。

システムエンジニアにおすすめの資格

システムエンジニアは資格が無くても働くことができます。しかし、専門知識を証明する方法の一つとして、資格を取得するという手段があります。資格を取得することで、転職の際に有利になることや給料が上がるケースもあるので、積極的に資格取得をすると良いでしょう。

基本情報技術者試験

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)主催の国家資格の一つです。ITエンジニアの登竜門とも呼ばれていて、エンジニアに必要な基礎スキルがあることを証明することができます。ITエンジニアに求められる知識やスキルが広く出題され、セキュリティやソフトウェア、ハードウェア、データベース、ネットワーク、プロジェクトマネジメント、データ構造、アルゴリズムなどから出題されます。年2回春と秋に試験が行われていますので、受験もしやすい資格と言えます。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験も独立行政法人情報処理推進機構(IPA)主催の国家資格の一つです。先ほどの基本情報技術者試験と比べて応用的な知識を要求されます。ITを活用した戦略立案やより信頼性の高いシステムを構築する力が求められ、試験では、基本情報技術者試験と同じく、ネットワークやデータベース、アルゴリズムなどの出題に加え、経営戦略などのより上流の知識も出題されます。基本情報技術者試験と同様、試験は春と秋年2回です。

その他ベンダー資格

ベンダー資格とは、IT製品やサービスを製造、販売する企業が主催する民間資格のことです。その特定の製品やサービスについてのスキルや知識の証明となります。同じ製品やサービスを使用している企業に転職する場合、評価ポイントの一つとなるといえるでしょう。
民間で実施している試験となるため、試験の時期や内容、有効期限は各試験により異なります。自分の現在関わっている製品やサービスなどの試験も調べてみると良いでしょう。

ベンダー資格の例

  • AWS認定
    Amazonが提供するクラウドサービスの専門知識を認定します。
  • ORACLE MASTER
    日本オラクル社が運営するOracle Databaseシリーズにおける知識、技術力を認定します。
  • シスコ技術者認定
    Cisco社が認定するネットワークのスキルを証明する資格です。

↓資格について詳しく知りたい方はこちら↓
システムエンジニア(SE)に必要な資格はある?おすすめの資格を紹介

システムエンジニアのキャリアパス

さまざまな企業がDX化を進めている現在、DX化に必要となるシステムエンジニアは非常に需要が高いです。さらに、システムエンジニアのキャリアパスも以前と比べて広がっているといえます。
これまで一般的なキャリアパスとしては、システムエンジニアとして経験を積んだのち、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどマネジメントサイドへキャリアアップするもの、またはシステムエンジニアとして専門性を高めスペシャリストを目指すというものでした。
しかし、昨今ITの需要が高まったことで他の職種への道も増えています。例えば、ITコンサルタントというIT技術を活用した企業の課題を解決する専門家を目指す道や、プロダクトオーナーというプロジェクトではなくプロダクト自体の責任者を目指す道などです。
いずれも専門性が求められますので、自分の得意なことや好きなことを突き詰め、専門性を身につけていけると良いでしょう。

↓プロジェクトマネージャーについて、キャリアパスについて詳しく知りたい方はこちら↓
システムエンジニア(SE)とプロジェクトマネージャー(PM)のキャリアプラン
―DX化の推進で需要は続く

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システムエンジニア(SE)の仕事内容やプロジェクトマネージャーとの違いなどについて解説しました。システムエンジニアはIT化が進む現代に欠かせない仕事の一つです。今後も企業からの需要は高く、将来性のある仕事といえるでしょう。
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