公開日:2023/10/30 最終更新日:2024/12/20
システムエンジニアとは、情報システムやソフトウェアの設計・開発を行う職種です。いわゆる「上流工程」を担当し、開発の現場においてシステムの仕様のヒアリングや要件定義、システムの設計を行います。 「エンジニア」と聞くとプログラミング業務をイメージする方も多いのではないでしょうか。実はプログラミング業務は、システムエンジニアが担当する場合もありますが、プログラマーに依頼するケースもあります。会社の規模や形態により細かな業務内容や役割は変わりますが、一般的にシステムエンジニアが担当する業務とその内容について解説していきます。
システムやソフトウェアの開発の流れに合わせて業務を解説します。
クライアントが解決したい課題や求めているシステムについてヒアリングします。システムエンジニアも実際に打ち合わせに参加し、悩みや要望を聞き出す業務です。
ヒアリングした内容を基に、クライアントの課題解決に必要なシステムを整理・分析します。予算や納期などから全ての要望を叶えられないこともあるため、優先順位の確認も必要です。
分析した結果を踏まえ、開発するシステムやソフトウェアの概要を決定します。要求分析で整理したクライアントの課題や要望を見失わないことが大切です。
要件定義で定義した概要を基に、システムやソフトウェア全体の構成、仕様、機能を決定します。レイアウトや操作方法、インターフェース等の大枠の設計を行います。実際に使用するユーザー視点での仕様を決めるのが基本設計です。
基本設計で決めた構成や仕様、機能通りにシステムやソフトウェアが動作するように、具体的な設計を行います。プログラマーが実装できるように、それぞれの要件を掘り下げ、作業に必要な仕様書を作成します。プログラマーなどの開発者向けの仕様を決めるが詳細設計です。
システムエンジニアが作成した指示書に基づいてプログラムを作成します。先ほど説明した通り、システムエンジニアもプログラミングを担当するケースや、プログラマーに全て依頼するケースがあり、企業やプロジェクトにより異なります。
完成したシステムやソフトウェアが設計通りに動くかどうかテストをします。不備やバグが無いかの最終確認もここで実施します。
場合によっては、システムやソフトウェアを納品して終わりではなく、その後の運用保守として、メンテナンスや障害対応などを行うこともあります。運用業務ではトラブルを未然に防ぐ業務で、保守業務はトラブルが発生した場合の復旧対応などです。また、システムの改善点、変更点があれば改修となる場合もあるでしょう。
ここまでシステムエンジニアの業務内容について知り、プログラマーなどの他の職種との違いについて気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、企業やプロジェクトにより業務の線引きや定義が変わります。ここでは一般的な違いと特徴について解説します。
システムエンジニアはいわゆる「上流工程」であるヒアリングや要件定義、基本設計部分を担うのに対し、プログラマーは「下流工程」と呼ばれるプログラミングを担います。 一般的にプログラマーはプログラミングに特化した専門職というイメージですが、システムエンジニアはそのプログラマーのマネジメントなども行い、より責任や裁量が大きいです。実際、システムエンジニアにもプログラミング全般の知識が求められることから、プログラマーからシステムエンジニアにキャリアアップするケースも多いようです。
PM(プロジェクトマネージャー)は、要件定義や設計を担うシステムエンジニアのさらに上に立ち、チームやプロジェクト全体を管理する存在です。システムエンジニアからキャリアアップとしてプロジェクトマネージャーを目指すことも多く、プロジェクトマネージャーはシステムエンジニアに必要なスキルに加え、プロジェクトの管理者としての管理力が求められます。
ネットワークエンジニアは、その名の通りネットワークに特化したエンジニアです。システムエンジニアがシステムの開発のための設計などに特化しているのに対し、ネットワークエンジニアはネットワーク機器の設計や構築、運用、保守を行います。インターネット通信を快適に行えるように、ネットワークの設計としてルーターなどの機器の導入から回線の種類の決定などを行います。ネットワークエンジニアは通信に関しての専門家というイメージです。