公開日:2023/03/16 最終更新日:2023/03/16
CADとは、コンピュータを使用して設計図の作図をできるシステム(ソフト)のことです。従来は手書きで人が書いて設計図の作成をしていましたが、コンピュータを利用して作図ができるようになり、作成や修正等の時間短縮ができるようになりました。 CADは製造業やアパレル業など幅広い業界で使用されておりますが、中でも建築業界はCADオペレーターの求人が最も多い業界です。そんな建築に特化し建築設計をできるCADソフトを建築CADといいます。 建築CADソフトは、建築設計をしやすいようにあらかじめ壁や階段などのテンプレートが用意されているという特徴があります。また、作図の際に建築における知識なども必要になる場合があります。
建築CADを使用する職種は大きく3つあります。 (1)CADオペレーター CADを用いて設計図の作成を専門的に行う職種です。ゼロから設計をするのではなく、設計者の指示に従って図面の作成や修正、調整を行います。未経験からでも目指しやすい仕事と言えます。 (2)設計士 CADを用いて設計をします。先ほどのCADオペレーターとは異なり、ゼロからの設計も行いますのでCADの操作だけでなく建築法などの知識も必要となります。 (3)建築士 CADを用いて設計をします。先ほどの設計士との違いは、資格の有無となります。建築士は、「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」のいずれかを取得した者のことを指します。設計士よりも規模の大きな建物などを設計できます。
建築業界の仕事の中でも、今回は未経験からでも目指しやすい「CADオペレーター」について詳しく仕事内容を解説いたします。 CADオペレーターの仕事内容は、大まかに以下のような内容になっています。
作成する建築図面にはいくつか種類があります。 (1)基本設計図 デザインや間取りを決めるための図面です。設計の初期段階で作成されるもので、建築知識のない人でも分かりやすい内容になっています。 (2)実施設計図 建物を建てる際に必要な情報を詳しく書いた図面です。この図面を元に料金の見積もりを行います。 (3)確認申請図 新たに建築する場合やリフォームをする場合に役所などへ提出する図面です。 (4)施工図 実際に建築をするためにより細かな形状や数値が描かれた図面です。この施工図をもとに工事が進められます。 (5)竣工図 実際にできた建物を書いた図面です。工事中に変更がある場合があるので、施工図などと異なることがあります。
CADオペレーター全体の年収は、300万円~450万円ほどとなっています。しかし、それ以上の水準である年収500~600万円程度もらっている人もいます。この給与の幅の理由としては、経験やスキル、勤務形態によるものです。 経験やスキルについては、CADオペレーターとしての資格取得やその他関連する資格の取得、扱えるCADソフトの種類やコミュニケーション力が挙げられます。資格については、こちらにて詳しく解説いたします。
CADオペレーターは、正社員だけでなく、契約社員・派遣社員・パート・アルバイト・フリーランス等、様々な働き方を選べる職種です。自分の好きな時間に働くためにフリーランスや派遣社員として時給制や案件制で働く人もいます。 パートアルバイトの場合は時給1,000円~1,500円程度、派遣社員の場合は時給1500円~1800円程度、フリーランスの場合は年収300万円前後が目安です。
実際に建築業界で使用されているCADソフトの一部を紹介します。無料でダウンロードできるソフトもありますので、これからCADの勉強を始めようと考えている方も参考にしてみてください。
アメリカの企業、オートデスク社が開発しているソフトです。汎用CAD市場で全体の7割を占めるソフトウェアであり、建築業界では建築に特化した「AutoCAD Architecture」が使用されています。自在性が高く、様々な建築スタイル・建築オブジェクトを使用して作成できます。
AutoCADと同じオートデスク社が販売しているBIMソフトです。BIMとは、コンピュータ上に建物の建築を行うシステムのことで、3Dの建築モデルが作成できます。
国産のフリーCADソフトです。インターネット上から誰でもダウンロード可能なため、動画サイトに有志による使い方講座等の動画も多くあります。開発に建築士が参加しており、建築業界で使いやすい機能が多いです。
2D・3Dを連動させながら作成できるCADソフトです。マルチビューやパノラマビュー等の機能があり、2Dの平面図から3Dパースまで直感的な操作が可能です。デザイン性が高い建築物を設計する事務所などで導入されています。
フリーで使える3DCADソフトです。3Dモデリングがフリーで使えるものは数少ないですが、こちらは操作性も抜群になっています。
操作性はAutoCADと近く、AutoCADのデータ互換も可能なCADソフトです。特徴は永年ライセンスという点で、AutoCADと比べコストパフォーマンスが良いです。バージョンにもよりますが、AutoCADの5か月分程度の費用で永年ライセンスを持つことが出来ます。
CADオペレーターは資格が無くても従事可能ですが、建築CADオペレーターとして勤務する際に、有利になる資格を紹介します。 (1)2次元CAD利用技術者試験 一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催するCADオペレーターとしての技能を証明するための試験です。25年以上の歴史があり、知名度も高い資格と言えます。 1級と2級があり、1級では実技試験として実際にCADを用いて作図を行います。2級はCADの機能や取り扱い方の筆記試験となります。 (2)建築CAD検定試験 一般社団法人 全国建築CAD連盟が主催する、建築業界におけるCADのスキルの証明に特化した資格です。建築CAD業界では広く知られた資格の一つで、4級から准1級まで用意されています。どの階級も実技試験のみとなっていて、特に准1級は難易度が高く合格率も低い分、合格すると確かなスキルの証明となります。 (3)オートデスク認定資格プログラム AutoCADの開発・販売を行うオートデスク社が主催する認定資格です。AutoCADを用いて試験が行われますので、AutoCADの勉強をしている方や勤務先で利用をしている方にお勧めです。初級者向けと中・上級者向けに分かれています。
未経験からCADオペレーターを目指す方法について、ご紹介いたします。未経験者の採用を行っている企業もありますが、事前に操作方法などを知っておくだけで転職活動を有利に進めることが出来ます。
パソコン、CADソフトがあれば独学での勉強も可能です。本屋でテキストや本を購入しての勉強や、動画サイト等にある解説動画から操作などを勉強することも可能です。 個人的な質問ができないことはネックになってしまいますが、普及率の高いAutoCADやJw_cadは本や動画の種類も充実しています。
専門学校やスクール、eラーニングで学ぶこともできます。独学と比較して料金はかかりますが、講師に直に質問ができるのがメリットです。 また、ハローワークで受講のできる職業訓練校にもCADのコースがある場合があります。休職中でCADを学びたいと考えている方は、調べてみてください。
CADオペレーターは自分が作図した建物が実際に建築されるため、「ものづくり」に大きく関われることがやりがいの一つです。また、スキル次第でいろいろな働き方が選べることも、これからの世の中に合っているといえます。 トライアローは、主に建設・通信・ITに強い技術系の派遣会社です。CADオペレーターの案件も多く取り扱っておりますので、これからCADオペレーターを目指していきたい方やこれまでの経験を活かして働きたい方はお気軽にお問い合わせください。
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