公開日:2023/02/02 最終更新日:2023/02/02
技術系のデスクワークのお仕事の中でも人気があるのがCADオペレーターです。土木や建設から設備や機械の製造に至るまで、「設計」が必要になるお仕事には必ず必要になる職種です。近年はテレワーク環境の整備が進んだこともあり、在宅でのお仕事も可能な案件が増えて来ました。また、未経験から目指しやすい技術系の職種ということもあり、根強い人気のある職種のひとつです。
よく誤解されていますが、CADオペレーターは免許制ではありません。つまり、資格がなくても就職、転職することは可能です。しかし、もし仮にあなたが採用担当者で、資格のある人、ない人が同じタイミングで面接を受けにきたら、どちらの人を採用するでしょうか。資格以外の条件が同じであれば資格を持っている方が就職には有利なのは事実です。 ですので、CADオペレーターとして働くことを考えているのであれば、資格を取得することをおすすめします。資格取得を目指すことで、CADソフトの知識や技術を身に付けることができる点や、業務の全体像の理解が深まるメリットもあります。
CADオペレーターの資格には複数の種類があります。それぞれ実施団体が異なり、難易度や内容にも少しずつ違いがあります。
一般社団法人コンピューター教育振興協会が主催するCADオペレーターとしての技能を証明するための試験です。CAD系の資格の中では最も知名度が高く、企業側にもよく知られた資格です。CADを利用するための知識や、図面を正しく理解しCADを用いて効率的に作図する技能を問います。取得することで、図面の読み書きができる人材という証明になる資格です。 本資格は2次元CAD利用技術者試験、3次元CAD利用技術者試験の2分類に分かれており、近年3Dプリンターの普及などによりニーズが高まっている3D CADにも対応しています。2次元CAD利用技術者試験の1級は、さらに「機械」「建築」「トレース」と部門が細分化されています。 試験はレベルごとに分かれており2次元CAD利用技術者試験は基礎、2級、1級、3次元CAD利用技術者試験は2級、準1級、1級があります。準1級や1級は下位資格を持っていないと受験が出来ないため、まずは2級から取得することになります。 2次元、3次元いずれも、基礎、2級は筆記試験のみですが、準1級、1級はCADを用いた実技試験があります。また、異なる階級を併願で受験することも可能です。 CAD利用技術者試験の難易度は「★★★☆☆」です。
こちらは一般社団法人 全国建築CAD連盟が認定する資格で、その名前の通り建築業界におけるCADのスキルの証明に特化した資格となります。 1993年に誕生した日本初の建築CAD資格試験であり、これまで総受験者数は16万人以上です。建築図面を正しくトレース、作成できるかの実技試験となっていて、CADスキルだけでなく建築知識も求められます。 「4級」「3級」「2級」「准1級」と4つの段階が用意されており、4級は高校での団体受験でしか受けられないものの3級以上であれば誰でも受験することができます。 2級以上は建築製図の知識が必要となり、それらを活かして建築図面の作成を行います。 建築業界でCADオペレーターとして働きたいという明確な意思がある場合は、取得しておくと良いでしょう。 試験では実際にCADソフトを使用し、建築図面を作成します。CADはノートパソコン持ち込み、会場機器使用の二種類があり、試験会場に設置されているのはAutoCADやjw_CADの汎用ソフトです。 建築CAD検定試験の難易度は、極端に難しい準1級を除いて「★★★☆☆」です。
AutoCADに代表される図面作成ソフトを開発しているアメリカの企業、オートデスク社が主催する認定資格のプログラムです。AutoCADは汎用CAD市場で全体の約7割を占めるソフトウェアであるため、AutoCADの使い方をマスターできる当資格は非常に実践的な資格と言えます。 中・上級者向けの「オートデスク認定プロフェショナル」の他に、初級者向けの「オートデスク認定ユーザー」という資格も用意されており、こちらは学生や業務未経験者をターゲットとしているので未経験からCADオペレーターを目指す方にはオススメです。「オートデスク認定ユーザー」は、汎用・専用CADソフトごとに試験が3つに分かれており、「AutoCADユーザー試験」「Autodesk Revit Architectureユーザー試験」「Autodesk Fusion 360ユーザー試験」の3つから選んで受験できます。 中・上級者向けの「オートデスク認定プロフェショナル」は、「AutoCAD プロフェッショナル」「Autodesk Inventor プロフェッショナル」に分かれていて、AutoCADまたはAutodesk Inventorを400 時間程度使用経験のある方を対象としています。 オートデスク認定資格プログラムの難易度は「★★★★☆」です。
インテリア設計に強いCADソフトであるVectorworks(ビクターワークス)に関する知識や技能を問われる試験です。主催は国内におけるVectorworksの総販売元であるエーアンドエー株式会社です。Vectorworksはインテリア設計に求められる機能が網羅的に搭載されているソフトで、インテリアデザイナーなどがイメージを具体化する際などに使われます。試験では、Vectorworksを使用した2次元および3次元の作図技能や、機能などに関する基本的な知識が問われます。試験は在宅でも受験でき、受験した後すぐに合否判定が行われるのもうれしいポイントです。合格率は非公開ですが、問題の7割以上を正解すれば合格となります。 Vectorworks操作技能認定試験の難易度は「★★☆☆☆」です。
こちらは一般社団法人コステックエデュケーションが認定する制度で、CADに関する総合的な知識や技能が問われる試験です。「TCADs」というスコア制でCADの技術・理解力を測る試験と、「CADアドミニストレーター認定試験」「3次元CADトレーサー認定試験」「3次元CADアドミニストレーター認定試験」の3種類の認定試験がります。いずれも受験資格は特にありません。「TCADs」は試験会場で受けますが、「CADアドミニストレーター認定試験」「3次元CADトレーサー認定試験」「3次元CADアドミニストレーター認定試験」は自宅でも受験でき、試験中に参考書を見ることもできますが、実務経験がない場合はやや難しい内容となっています。「TCADs」は学科試験と実技試験の二部構成になっていますが、「CADアドミニストレーター認定試験」「3次元CADトレーサー認定試験」「3次元CADアドミニストレーター認定試験」は実技試験のみです。 試験は9月下旬と2月上旬に行われ、合格率は45~50%ほどです。 CAD実務キャリア認定制度の難易度は「★★★☆☆」です。
3次元設計能力検定試験は、3次元設計能力検定協会によって主催される試験で、機械設計における基礎的な能力や、3次元CADのオペレーション能力などが評価されます。製造業に従事しながら3次元CADを扱う人は取っておいて損のない資格だといえるでしょう。「3次元CADコース」「図面作成コース」「プロ設計者コース」の3つのコースが用意されており、現在の仕事内容や将来従事したい分野に応じて自由に選択できます。「図面作成コース」「プロ設計者コース」は3次元CADの実技試験に加えてJIS製図や交差設計などの科目があります。 試験は5月と11月に行われ、合格率は非公開ですが問題全体の6割以上を正答すれば合格できます。 3次元設計能力検定試験の難易度は「★★★☆☆」です。
CADデザインマスターは他の資格に比べて試される範囲が広い特徴がある試験です。日本デザインプランナー協会によって主催されており、建築や製造、アパレルといった幅広いジャンルで活かすことができる資格です。JWCADやAUTOCADを使用して、さまざまな場面で的確に作図できるかどうかを問われる内容で、守備範囲が広いだけに難易度はやや高めになっています。複数の業界を渡り歩きながら活躍したいと考えている人は取得を検討してみるとよいでしょう。CADデザインマスターの合格基準は正答率70%以上で、合格率は30%程度となっています。 CADデザインマスターの難易度は「★★★★☆」です。
国家資格である機械・プラント製図技能士は、CAD資格の中でもとりわけ信頼度の高い資格だといえます。試験では製図能力や設計に関する知識などが問われ、1~3級のランクが用意されています。3級は誰でも受験可能ですが、2級は2年以上、1級は7年以上の実務経験が必要です。なお、1級については例外もあるので公式サイトを確かめておきましょう。まだ実務経験がない人は、まず3級を取得したうえで現場で経験を積み、2級および1級の合格を目指すのがおすすめです。いずれの級も、合格には学科で65%、実技で60%以上の正答率が求められます。 機械・プラント製図技能士の難易度は「★★★★☆」です。
未経験者、初心者でCADオペレーターを目指す場合は、まずCAD利用技術者試験に挑戦するとよいでしょう。 前述の通りCAD利用技術者検定は2次元と3次元の2つの分類に分かれています。そこから更に2次元の場合は基礎・2級・1級に分かれており、3次元の場合は2級・準1級・1級に分かれています。 この中で、初級者の方は2次元の基礎から受けてみるのが良いでしょう。 2次元CAD利用技術者試験の基礎は、3ケ月程度の学習期間を経た人を想定して試験が行われます。試験科目としては、CADシステムに関する基礎知識や利用方法、インターネットの仕組みや情報セキュリティ、知的財産権などに関する分野から出題されます。また、当然CADオペレーターには製図の知識が必要ですので、そういった知識も試験で問われます。 CADソフトの使い方だけを理解していても、CADオペレーターとしての仕事はスムーズに進みません。こうした資格の勉強を通して、業務の全体像を掴むよう心がけましょう。
CADオペレーターは、CADと呼ばれるソフトを用いて、従来は人が書いて作成していた設計図をコンピュータで作成する職種です。設計士やデザイナーの指示に従って図面の作成や修正、調整を行います。CADオペレーターは様々な業界、分野で活躍しています。
CADオペレーターは、未経験からも目指すことが出来ます。しかし、事前にCADの操作についての勉強をしておくことをお勧めします。 全くの未経験でもやる気があれば内定をもらえるケースもありますが、事前にスクールやeラーニング、書籍などを活用してCADの勉強をしておくと「やる気」のアピールにも繋がり、有利に就職活動を進めることができます。 最近は無料で使えるフリーのCADソフトも増えています。就職活動と並行してCADやその資格取得のための勉強もできると良いでしょう。
CADは Computer Aided Designの頭文字をとった略語です。 直訳するとコンピュータ支援設計となり、身の回りの自動車やパソコンなど多くの製品の設計図を、コンピュータで作図できるシステム(ソフト)です。
2DCAD・3DCAD 2DCADは2次元CADとも呼ばれ、平面で図面を作成するCADのことです。 3DCADは3次元CADとも呼ばれ、3次元で立体的に表現できるCADです。 3DCADは、球体や立方体などをそのまま立体で表現ができるので、製品の完成版に近いイメージを作成できます。しかしできることが増える分、2DCADと比較して導入コストが高く、操作も難しいです。 3DCADは2DCADと比べてできることは多いですが、一概にどちらが優れているということではなく、用途によって使い分けられています。 汎用CAD・専用CAD 汎用CADは分野を問わず幅広く活用できるような機能を備えているCADのことです。 専用CADは建築や自動車など分野に特化した機能を備えているCADのことです。 こちらも用途によって使い分けられており、どちらが優れているということはありません。
CADについてもっと詳しく知りたい方はこちら CADとは?CADオペレーターの仕事内容は?
CADの資格を取得することで、日々の業務やキャリアプランにおいてさまざまなメリットが得られます。 まず、業務効率や生産性が向上するというメリットが挙げられるでしょう。CAD資格を取得するためには、CADに関する知識や技術を体系的に学ぶ必要があります。資格を取得することで業務をこなす正確性やスピードが向上し、結果的に業務効率や生産性も向上するということです。 生産性が上がることはもちろん企業にとってもプラスなので、資格手当を用意している場合も少なくありません。つまり、CADの資格を取ることで収入が上がる可能性もあるのです。 さらに、CAD資格は一定の知識や技術を備えていることの証明にもなります。転職市場などで人材としての価値を高めてくれるため、資格取得はキャリアアップにもつながるでしょう。
図面の作成はミリ単位の確認も必要となり、緻密な調整が必要となりますので、几帳面な方が向いています。 また、黙々と作業に取り組むこともありますので地道な作業を集中して行えることもCADオペレーターに必要な要素の一つです。 作成している途中で仕様の変更があり、作り直しが必要になることもあります。そのようなことがあっても最後までやり遂げる力がある人にも向いています。
どうすればCADの資格を取れるのかと頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。CADの資格を効率的に取るためには、自分に合った勉強方法を見極めることが大切です。ここからは、CAD資格を取るための勉強方法について解説します。
1つ目の方法は、テキストや解説動画を活用して独学することです。一人では心もとないと感じるかもしれませんが、市販のテキストや動画サイトを最大限に活かせばCAD資格の取得は十分に目指せます。それぞれの資格についてテキストが販売されているので、初学者はまず本で基本的な知識を学習するとよいでしょう。 ただし、実技試験が行われる資格を知識だけで乗り切るのは困難です。実際の操作方法を学ぶためにもCADソフトをインストールし、どんなことができるのか試しながら学んでいくことをおすすめします。 また、動画サイトにはCAD資格に関する動画が多数アップロードされています。CADソフトの操作方法でつまづいたときは、解説動画で具体的な使い方を学習するとよいでしょう。そして、資格試験では過去問と同じ傾向の問題が出やすいため、試験に挑む前は過去問をなるべく多く解いて合格力を高めてください。
2つ目の学習方法は、スクールや通信講座を利用することです。独学でも基本的なことは学べますが、各資格の上位級など、難易度が高い試験に合格したいならスクールや通信講座を受講するのが賢明だといえます。 わからない問題にぶつかったとき、独学の場合は答えが見つかるまで自分で模索しなければなりません。一方、講座を利用していれば講師にすぐ不明点を質問でき、疑問を解消することができます。もちろん独学よりも費用はかかりますが、受講することで最短距離で合格できるのであれば、費用対効果は高いといえるはずです。
CADオペレーターは、ソフトを使用して設計、製図を行いますが、企業によって使用しているソフトが異なる点に注意が必要です。 また、CADオペレーターは「製図ができる」、「資格がある」ということだけで安心していては、将来の可能性が広がりません。CAD資格だけではなく、自分が関わっている分野(電気・機械・建築・服飾など)のより深い知識を身に付け、専門分野を作って行くことが大切です。 CAD利用技術者試験でも、1級(建築)試験になると、設計の補助業務や管理業務などを行う人を想定した問題が出題されます。 将来は、設計士の補助業務を行いたい、後進の人々を育てる業務に就きたい、CADオペレーターとして専門分野に特化して働きたいなど、どのような働き方をしたいかということを検討し、その分野について深く勉強することが必要です。
CADオペレーター以外の、CADの資格を活かせる職種を紹介します。
CADオペレーターから、キャリアアップとして目指す人も多い職種です。 設計士という名の通り設計を行うことが仕事で、製図以外にも専門知識や法の知識、安全性やコストを理解したうえで設計を行います。設計を基にCADオペレーターへ図面作成の指示を出すのも設計士の仕事の一つですが、設計士本人がCAD操作も行うケースもあり、CADの資格を活かすことができます。
施工管理技士とは、工事の監理をする職種です。工事のスケジュールや品質、品質などの管理、それらの取りまとめを行います。 設計図は設計士や建築士から送られてくるため、CADを使用してゼロから製図することはありませんが、送られてくる図面が間違っていることや、あくまで設計図で施工図(工事用の図面)になってないことがあります。その場合修正や書き換えが必要になることがあり、自分で行うことができると円滑に業務を回すことができるため、CADの資格を活かせる職種といえます。
2020年以降、各社ともテレワーク環境の整備が整ったことでCADオペレーターの働き方も大きく変わっていく可能性があります。 これまで、CADを扱うにはそれなりに高性能なスペックのPCが必要で、社外秘のデータなどが入ったPCを自宅などに頻繁に持ち帰るのはセキュリティ上困難でした。 ただ、現在では先にご紹介したCADソフト「AutoCAD」もクラウド版がリリースされるなど、データを個人PCにダウンロードせず、オンライン上で完結させる機能の拡充に力を入れています。 こうした変化も、テレワークなどを前提とした多様な働き方への対応が背景にあります。在宅での勤務が可能になることで、例えば子育てや介護などでフルタイムでの勤務が難しかった人にも働くチャンスが生まれるなど、より柔軟な働き方ができる職種になる可能性を秘めています。
「ものづくり」において、設計は必ず必要です。そのためCAD及びCADオペレーターの需要は今後も続いていくと考えられています。 しかし、eラーニングや動画サイト等の普及により、CADを使用できる人が増えてきました。そのため、今後はCADオペレーターとしてのスキル・専門知識の向上ができると良いでしょう。
CADソフトは様々な種類がありますが、新たなソフトの開発も進んでいます。 特に、3DCADについては注目が高まっており、開発が進められています。 新たなソフトのリリースだけでなく、既存のソフトのアップデートによる操作方法の変更もありますので、常に最新の情報を収集し柔軟な対応をできるようにしましょう。
トライアローは、主にIT・通信・建設業に強い技術系の派遣会社です。CADオペレーターの案件もございますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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