公開日:2015/12/14 最終更新日:2015/12/14
建設業界には、さまざまな専門分野があります。ここでは一部ではありますが、仕事内容を見ていきましょう。
建築士は、設計から工事監理までの全てを担当する専門家で、建物の規模と構造に合わせて一級建築士、二級建築士、木造建築士の三種類の資格があります。
一級建築士 国土交通大臣の免許を受け、設計、工事監理の業務を行います。 (学校、病院、百貨店などの建築物で延べ面積が500平方メートルを超えるもの、延べ面積が1000平方メートルを超えかつ2階以上のものなど)
二級建築士 都道府県知事の免許を受け、設計、工事監理の業務を行います。 (学校、病院、百貨店などの建築物で延べ面積が500平方メートル未満のもの、高さが13mまたは軒の高さが9mを超えない木造建築物、延べ面積が300?以下の鉄筋コンクリートなど)
木造建築士 都道府県知事の免許を受け、木造建造物に関する設計、工事監理の業務を行います。 (木造の建築物で、延べ面積が300平方メートル以下、かつ2階以下のもの)
工事監理とは、建築物の工事が設計図の通りに行われていることを確認する仕事です。一定の建築物の工事監理は建築士が行い、欠陥の発生を未然に防ぐ役割も担っています。 建築基準法では、一定の建築物の工事をする場合は、工事監理者を定めることが建築主の義務となっています。
施工管理技士とは、設計から実際の施工に至るまでの一連を管理監督する技術者です。 施工管理には、建設機械施工技士、土木施工管理技士、建築施工管理技士、電気工事施工管理技士など、国土交通大臣が認定する資格があります。
施工図とは、現場の職人が施工をするために必要な図面のことです。施工者等(ゼネコン)は設計図書をベースに施工しますが、サブコンや職人に情報を分かりやすく伝えるために、工法や寸法等を詳細に記載した施工図が必要になってきます。 施工図には、平面詳細図、躯体図などがあります。施工図設計には、一級建築士や二級建築士の資格があればベストですが、スキルがあれば資格がなくても作図をすることもできます。
「CAD(キャド)」とは、パソコンで設計図を書くソフトやシステムのことです。CADオペレーターは、設計者のアシスタントとして設計図の修正や変更があった箇所を訂正することが主な仕事です。CADオペレーターになるには、CADソフトを操作できることが大前提なので、実務経験や資格を持っている方が多い仕事です。
大手ゼネコンが新卒や中途採用を増やし、東京都でも建設関係の中途採用を積極的に行うなど、建設業界の人材需要は上向きの傾向にあるようです。また、政府が打ち出す地方創世により今後は地方での仕事が増えるという見方もあり、地方に拠点を置くゼネコンでは、UターンやIターン就業に力を入れるところ見受けられます。 出身地に帰って地元に貢献したい方、地方でじっくりと仕事に取り組みたい方にとっては、ますます就業の選択肢が広がるでしょう。 とはいえ、もともと慢性的な人材不足の業界だけに、派遣会社のようなアウトソーシングサービスを活用して人材を確保する企業もたくさんあります。建設業界で働いていきたい人には派遣で働くということもひとつの方法で、大手ゼネコンのプロジェクトに参加できたり、働きたい土地で就業できる可能性もあります。即戦力となる経験者や資格保持者だけでなく、職種によっては未経験でも雇用の機会に恵まれる可能性が高いので、正社員としての転職という道だけに縛られず、派遣もひとつの就業方法として覚えておくといいでしょう。