公開日:2023/06/30 最終更新日:2023/06/30
サーバーエンジニアという職種を聞いたことはありますか?なんとなく聞いたことはあるが、具体的な業務内容まで答えられないという人もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、サーバーエンジニアの詳しい仕事内容や、必要な知識・スキル、キャリアパスについて解説します。
そもそも、サーバーエンジニアの「サーバー」とは何を指すのでしょうか。 「サーバー」とは、クライアント(利用者)からの要求に応じサービスを提供するコンピュータのことです。分かりやすく言うと、「コンピュータの情報を置いておく場所」でしょうか。電子メールの送受信やWebサイトの閲覧、ファイルの共有などの、インターネットを通じた行動の裏側にはサーバーがあり、そのサーバーを介してサービスを利用しています。スマートフォン普及により、これらのサーバーは私たちにとってとても身近な存在となりました。 サーバーエンジニアは、これらの「サーバー」の構築や設計、運用保守を行う職種です。
サーバーエンジニアが担当する仕事は、サーバーシステムの設計・構築に始まり、サーバー機器の導入、運用、障害発生時の対処、セキュリティ対策の構築、OSやミドルウェアのインストール、サーバーアプリケーションの設定など非常に多岐にわたります。 詳細の仕事内容について、サーバーシステムの設計・構築と、サーバーの運用・保守業務の2つに分けて説明いたします。
目的にあわせサーバーの台数やスペック、通信速度や利用電源、コストと見合っているかを考慮し設計を行います。サーバーには、メールサーバーやWebサーバー、ファイルサーバー、データベースサーバー等のさまざまな種類があります。利用目的や設置場所などの様々な要素を考慮しつつ、故障等のトラブル防止・対応策も講じなければなりません。その他、OSやアプリケーションのインストール、稼働が正常に行われるかのテストも実施します。
サーバーを導入して稼働した後に始まる運用・保守業務は、サーバーを実際に動かしながら管理を行っていく仕事です。具体的には、サーバーの監視やセキュリティチェック、バックアップなどです。状況に応じてシステムのアップデートや変更・改善を加えることもあれば、万一、障害が起きた時には可及的速やかに適切な処置を施します。また、常にモニタリングを行ったりしながらメンテナンスを行うことも重要で、これらは時に緊張感を強いられる業務になるでしょう。
サーバーを取り扱うサーバーエンジニアは、WindowsやLinuxなどのOSの知識、ミドルウェアの知識、ネットワークや通信に関する知識、セキュリティの知識などが必要です。どれか一つの知識に精通するのではなく、どのOSに対しても広く知識を習得できると良いでしょう。 またサーバーの技術は日々進歩しているため、常に新しい情報を得て知識を身につける必要もあります。セキュリティに関しても悪意を持った攻撃は増加傾向にあり、方法も巧妙化しているため、これを防ぐための知識・スキルも求められます。
資格を取得することで、自身の知識や習熟度を証明することができます。特に、将来的に年収アップやキャリアアップを考えるのであれば、資格取得にも積極的に挑戦すると良いでしょう。おすすめの資格をいくつか紹介いたします。
CCNAはCisco Certified Network Associateの略で、シスコ社の製品知識や技術を認定する資格です。ネットワークやセキュリティの基礎等のスキル、知識を証明することができます。認知度が非常に高い資格ですので、就職・転職活動の時にも有利となるケースが多いです。
CCNPはCisco Certified Network Professionalの略で、先ほどのCCNAの上位資格です。システム構築やネットワーク技術のプロフェッショナルであることを証明できます。こちらもCCNA同様に、認知度の非常に高い資格です。
LPICはLinux技術者認定試験の略で、Linux技術者の認定資格です。Linuxは多くの日本企業で導入されているため、Linux技術者の需要は非常に高いです。 この資格には3段階のレベルがあり、自分の技術・知識レベルに合わせた資格を受けることができます。
MCPはマイクロソフト認定プロフェッショナルの略で、マイクロソフト社の製品に関する知識を認定する資格です。マイクロソフトは世界的なシェアを誇っているため、取得することで、多方面での活用が期待できます。 この資格は4段階のレベルに分かれています。
では、実際にサーバーエンジニアを目指す場合、どのようなキャリアパスを考えれば良いのでしょうか。未経験の場合はサーバー監視・運用から仕事を始め、サーバーについての知識を蓄積していきます。次に設定を変えたりバッチを当てたりする作業などを覚えて、サーバーの構築の仕事を行うようになる、のようなキャリアパスが考えられます。仕事に就いた後も必要な知識を補う勉強を続けていくことで、最終的にはサーバーの設計・提案へと進むこともできます。ただ、こうした上流工程を行うようになるには意欲的に知識やスキルを学び、さらに顧客とのコミュニケーションも行えるようにしていく必要があります。 また、最近はAWS(Amazon Web Service)などのクラウドサーバーが主流になっています。そのため、配線など物理的な作業を必要としないサーバーを利用することも多くなってきました。このように、サーバーの主流やトレンドは常に移り変わっていくものですので、情報収集を行いこの先必要とされるスキルを高めていくことが必要となります。
サーバーエンジニアには慢性的な人手不足が続いており、求人数は少なくありません。未経験者にも道は開かれており、その場合は自宅でサーバーを構築しているといった志向や意欲を示せれば採用の可能性も高くなるでしょう。あるいは、未経験者であってもTCP/IPおよびDNS、HTTP、SSLなど基本的なアプリケーションプロトコルの知識を持ち、理解していることなどが求められることが多いでしょう。プログラミング経験もあれば歓迎されるはずです。 また経験者に対しては企業ニーズが高く、知識やスキルをアピールできれば転職してキャリアアップできるチャンスも十分にあります。同じサーバーエンジニアでも、導入している顧客の業態によって雰囲気ががらりと変わることがあるので、キャリアを生かしながら以前とは異なった環境に身を置くこともできるでしょう。
サーバーエンジニアは長いものだと数年単位のプロジェクトに関わるケースもあります。長い期間かかるプロジェクト=規模が大きくその分アクシデントなども増え大変に感じることも多いかもしれません。しかし、その分プロジェクトが完了し正常稼働した時の喜びや達成感は大きくなります。 また、サーバーエンジニアはプロジェクト初期から関わるため、他のエンジニアと比べプロジェクトに関わる時間も長いことが多いです。初期から関わってきたプロジェクトが無事に稼働した時の達成感は、とても大きいものです。
サーバーは様々なサービスを行うシステムの基盤となります。そのサーバーの担当となるため、他の部署(エンジニア)やお客様から頼られることも多いでしょう。トラブルがあったときに相談をされたり、仕様についての相談を受けたり、誰かに頼られる存在になれるというのは、やりがいの一つと言えます。
では、サーバーエンジニアにはどのような人が向いているのでしょうか。
サーバーエンジニアは、サーバーの構築として機器との接続などの作業を行うこともあります。そのため、趣味でパソコンを自作したことがあるなど、パソコンが好きな人に向いています。クラウドサーバーの台頭により配線などの物理的な作業を必要としないことも増えていますが、パソコンやその周辺に興味をお持ちの方であれば、クラウドサーバーのような新しいトレンドも柔軟に対応できるでしょう。
サーバーの設計を行うためには、目的を元にサーバーの負荷を予測したり、メモリの割り当てを考えたり、他のシステムとの接続を考えたり様々なことへ配慮する必要があります。様々なものへの影響を考えつつ、同時に仕事の正確さも求められるため、職人気質な人に向いているといえます。
運用保守業務では、予期せぬトラブルが起きる場合もあります。その場合に冷静に原因を突き止め、解決に導く必要があります。起きたことを冷静に分析し、臨機応変に対応することができる人はサーバーエンジニアに向いているでしょう。
サーバーエンジニアの仕事内容やキャリアパスなどについて解説しました。ネットワークを陰から支えるサーバーエンジニアの仕事は責任が重大な分、やりがいも大きい仕事です。興味がある人は意欲を持って挑戦してください。
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