公開日:2015/08/05 最終更新日:2015/08/05
「ゼネコン」とは、英語のGeneral Constructor(ゼネラル・コンストラクター)の略で、日本語では「総合建設業」という意味になります。その主な仕事内容は、土木、建築工事を発注者から請負い、専門工事業者や資材メーカーをマネジメントして工事を完成させることです。日本では、その中でも特に規模や売上が大きい5社を「スーパーゼネコン」と呼んでいます。 専門工事業者はサブコンとも言われ、足場や鉄筋、コンクリート工事を専門とするとび工事、電気設備工事など、さまざまな分野の専門業者があります。サブコンはさらに孫請けの会社と連携しながら、実際の現場で建物を建設する工事を行っているのです。
ゼネコンに就職するためには、どんな資格や能力があれば有利になるのでしょうか? ここでは、主な職種別に見ていきましょう。
建築主から要望を聞き、直接交渉する窓口となります。社内の各部門と協力しながら、企画書を作ったり、提案書を作成したりするのも仕事です。営業に関しては、入社時に土木、建築の知識がなくても入社できることもあります。ゼネコンは規模の大きい案件を扱うことが多いため、受注を取るために建築主の細かい要望を汲み取る能力が必要とされるでしょう。
建築主の意図を理解し、機能性やデザイン性を考慮しながら建物の基本構想をまとめ、設計図を作ったり建物の工事監理をしたりする仕事です。設計に携わる建築士は、扱う建物の高さや構造によって一級建築士、二級建築士、木造建築士の3つの資格を取得しなければなりません。
建物内にある空調やエレベーター、衛生、電気などの設備の配置を考え、建物の機能面、環境面が計画通りに進んでいるかどうかをチェックすることが主な仕事です。関連する資格として、建築設備士などの資格があります。
さまざまな顧客のニーズに応えるため、工事方法の研究や資材の開発を行う部門です。独自開発した技術は、他社と差別化するための強力な武器になるため、最近では各社とも研究開発に力を入れています。
工事現場での工程管理を行い、安全に仕事ができるように現場を監督する仕事です。施工管理は、一級建築施工管理技術検定、二級建築施工管理技術検定などの資格が、応募条件になっていることがあります。
長らく不況が続いてきた建設業界も、1970年代の高度成長期に一斉に造られたインフラ設備の刷新や東日本大震災の復興事業に加え、2020年のオリンピック誘致が決まりその会場の建設などもあり、今後しばらくは好環境が続くと言われています。しかし、建設、土木の現場では、人材不足が慢性化しているのも事実です。ゼネコン各社は自社で確保できない人材を、派遣会社等を活用して確保する動きをしているため、派遣という雇用形態で大手ゼネコンでの就業のチャンスが生まれるのです。 建築や土木分野のように専門性が高い仕事では、一般の派遣と異なり、雇用期間に期限がない雇用スタイルである「特定労働者派遣」が採用されています。特定労働者派遣という形であれば、大手ゼネコンに正社員として就職せずとも、街のランドマーク、新幹線や高速道路といった交通の大動脈の建築など、ビッグプロジェクトに参画できるチャンスが広がります。また、施工管理技士といった専門性の高い資格を持っていることでより就業や給与に有利になることもあります。ビッグプロジェクトで経験値とスキルを身に付けることができれば、自分のキャリアにさらに厚みを持たせることができるでしょう。 建築や土木の仕事を経験したことがない場合でも、まず派遣社員として働くことで、現地でOJTを受けながらスキルを身に付けることができるのです。派遣というスタイルで働くことも視野においておいて損はないかもしれません。