公開日:2023/01/13 最終更新日:2023/01/13
アマチュア無線をされている方や通信業界で従事する方であれば、第一級陸上特殊無線技士(以下、一陸特)という資格名を耳にしたことがあるのではないでしょうか。 この一陸特、スマートフォンの進化やIoT化が進められている現在、転職市場でも非常にニーズの高まっている資格です。今回は、一陸特とは具体的にはどんな資格か?なぜ転職に有利になるのか?などを解説して行きます。
一陸特は総務省が定める国家資格です。無線局での技術的な操作の中には一陸特がなければ遂行できない業務があるため、いわゆる業務独占資格に分類されています。 近年スマートフォンの普及に伴い通信事業者の新規参入や5Gの整備等が進められており、求人のニーズも高まっています。通信業界の企業は一陸特相当の知識がある人材を求めているケースも多く見られるため、無線・通信技術に関する知識レベルの証明としても当資格が使われており、非常に人気が高まっている資格の一つです。
現在ではIoT化(internet of things=モノのインターネット化)があらゆる場面で急速に進められており、IoT機器の普及には高速な通信網が不可欠です。 具体的にIoT化とは、産業機械や医療機器、自動車などをすべてインターネットに繋いてコントロール、管理できるようにすることであり、これらを実現させるためには高速かつ堅牢な通信網の整備が急務となっています。 こうした通信網を整備するための工事には一陸特の有資格者が必要となる場面が多く、IoT化の前提条件とも言える5G回線の整備の際に有意な資格であるため、通信業界において安定したニーズがある資格と言えます。
まずは、一陸特よりも2つ下位の資格である第三級陸上特殊無線技士資格で認められている次の陸上移動系の無線局の技術操作が認められます。
そして、1つ下位の資格である第二級陸上特殊無線技士で認められている通信衛星を介する双方向通信システムのひとつであるVSAT(Very Small Aperture Terminal)システム(衛星通信超小型地球局、HUB局)や、陸上レーダーの技術操作を認められています。 それらの操作に加えて一陸特固有で認められている業務が、多重無線設備を使用した固定局の技術操作です。 スマートフォンや携帯電話で使う無線技術は、今では私たちの生活に深く浸透した大切で当たり前となった情報インフラの一つです。 ですので、誰もが自分勝手に電波を飛ばす事ができてしまうと、すでに送受信されている無線に干渉を起こすなどと言った悪影響があるばかりか、既存の基地局や無線局の装置に損壊を与えるなどの悪影響を与えてしまい、情報インフラが一時的に停止してしまう事態にもなりかねません。 そうならないためにも、電波を適正に扱える専門知識を持った人にのみ技術操作を認めるようにと定めた国家資格が、無線従事者資格と呼ばれる資格群で、その中に一陸特は含まれています。
前述の通り、昨今の急速な通信技術の発展や、基地局整備の需要増に伴い、求人市場における一陸特の有資格者の需要が急速に伸びているため、将来性のある資格と言えるでしょう。 また、今後も通信技術の革新と設備の更新はIT技術の進化とほぼ両輪駆動で進んで行くことが予測されるため、求人市場における一陸特有資格者の需要は安定的に増加していくものと予測できます。
前述の通り、一陸特は陸上特殊無線を扱う資格の中でも最上位の資格となります。 年に3回実施されている国家試験の合格率は25%~30%程度となっており、無線・通信系の資格の中では非常に高い難易度の資格に分類されています。 難易度が高いと言われる理由として、計算問題が出題される点が挙げられます。 指数関数や対数関数を理解している必要があり、数学や計算問題に苦手意識を持っていると少し難易度が高く感じてしまう方もいるでしょう。 しかし、一陸特の試験は過去に同試験で出題された問題と同じ問題が出題されることも多くあります。そのため、過去問をしっかりおさらいすることで合格に近づけると言えます。 ただし、国家試験に合格する以外にも一陸特の免許を取得する方法があります。 養成課程と呼ばれる、総務省総合通信局から認定を受けた事業者が行う講座を受けた後に、当該の事業者が作成した修了試験を受けて合格することで、国家試験を受けることなく一陸特の免許が付与される仕組みがあります。
一陸特の養成課程は、まず選抜試験の対策講座を受けるところからスタートします。対策講座を受けた後に選抜試験を受験し、それに合格すれば講座がスタートします(※一定条件を満たせば、選抜試験が免除となります。詳細はこちらのサイトをご参照ください)。 一陸特の場合は無線に関する法令などを学ぶ「法規」の分野が6時間、「無線工学」の分野が48時間の計54時間で構成されており、多くの事業者では約8日間をかけて講義を行っています。54時間の講義を受け終わった後に修了試験を受け、合格した暁に免許が交付されます。 54時間の講義中、各章ごとに小テストを設けておさらいをしたり、実務経験のある講師の場合は現場で使える知識を交えて講義を行ったりすることで、独学で参考書等を読み進めて国家試験の勉強をする場合よりも理解度が格段に上がります。また、講義を受けてからすぐに修了試験を受けられることも魅力で、学びたての状態で試験を受けられることで、より合格がしやすい制度となっています。 事実、国家試験の合格率が25%~30%なのに対し養成課程の場合であれば合格率は90%以上(当社実績)となっており、業務で必要に迫られていて確実に取得したい方などには特に人気です。
当社でも一陸特の養成課程を開講しています
私たちトライアロー株式会社は、主に通信業界やIT業界を得意とする人材派遣・転職支援・教育事業を行っている会社です。技術系の人材派遣を主力としていますが、前述でご紹介した一陸特の養成課程も2013年より開講しており、これまでにも多くの皆さんに受講していただき、有資格者を多数輩出して来ました。 当社で働くスタッフにおいても、業務に当資格が必要と判断された場合には無料にて受講をしてもらい、一生モノのスキルとして一陸特を取得したスタッフも数多く在籍しています。 他にも、注目の集まるドローンについて学べる講座や、そのドローンを産業利用する際に開放された電波帯を使用するために必要な資格である三陸特の養成課程などもラインナップしています。 通信業界に強く、教育制度も充実したトライアローに、ぜひ転職やスキルアップの相談をしてみませんか?
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